航海第十七日目 終焉

(平成11年9月26日〔日〕やや曇り)

 記憶を失い天国にまで来た私に、神と名乗る人が近づいてきた。そいつが言うには、私は「天国に来ていい人間ではないから帰れ」という。

 ムカついたので、そいつを殴ろうとした。しかし、奴のカウンターによりダウンしてしまう。


 一瞬、気を失った私は記憶を取り戻した。そして、拳銃を構えると、“自称神”の眉間をぶち抜いた。

 すると、あちこちから背中に翼を生やした怪しげな連中が次々と現れる。身の危険を感じた私はバズーカ砲を撃ち、次々と気狂いどもを撃ち落としていく。それと同時に、あちこちの家屋から火の手が上がり始めた。


 私は丘に登り、燃え上がる家々や逃げ惑う人々を見下ろしながら、高らかに笑った。


 これぞ地獄だ。皆、苦しめ、あがけ、あえげ。ここは地獄なのだから。穏やかな生活などクソ喰らえだ。


 そんなことを考えながら、下界の様子を眺めていた。

 そして、気がついたのだ。もしかしたら、ここって天国では……。

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