航海第十二日目 決戦

(平成11年9月21日〔火〕晴れのち雨)

 海底から戻ってきた私を待っていたのは悪魔サタンだった。

「いやあ、待った?」

「いや、ぜんぜん」

 そんな会話をしながらも、対決のムードは高まっていく。二人は同時に腰の刀に手を掛けた。勝負は一瞬で決まる。二人の刀が閃いた。


 がくっ


 倒れたのは私の方だった。僅かな差というよりは、むしろ思いっきり大差での負けだ。私が刀を抜いた瞬間にサタンの刀が私を5、6回ほども切り裂いたのだ。

 こうして、私の身体は10個に分断されてしまった。さらに、サタンはバラバラになった私の身体を地獄中にばらまいてしまう。私は自分の身体を探すために地獄巡りをしなくてはならない。腹立たしいので、サタンに背後から近づき、血祭りに上げた。


 さて、私の新しい旅が始まる。

 私の頭に手足が生えたような身体が夕日に染みる。風が吹く。吹き飛ばされる。空を行く。私はどこへ向かい、どこへ行くのだろう。


(十三日目につづく)

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