航海第九日目 悪魔
(平成11年9月18日〔土〕曇り)
空は闇を孕んだ雲に覆われている。ついに、私の運命は破局へと向かっているのだ。空からは一筋の光が放たれ、巨大で醜悪な怪物が姿を現す。
その怪物は私の船を発見すると、その巨大な腕で私の船に攻撃してきた。無論、私の船はその一撃に耐えられるはずもなく、一瞬にして海の藻屑と化す。私は海の中に投げ出され、海底へと沈んでいった。
ほとんど、何の説明もなく現れた怪物だが、実はサタンと呼ばれる魔王だったのだ。長いこと閻魔大王によって封印されていたのだが、その封印を私が解放してしまったようだった。
昨日、航海日誌の約半分に意味のない文章を書いたわけだが、それがいけなかったらしい。この日記の中に封じられていたサタンが復活してしまったのだ。
私は海底の地面へと降り立ち、思った。
そういや、ここは地獄だから、もう死なないな。
(十日目につづく)
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