身代金

「いってきまーす!」


家を出る小学1年生の息子を見送り、仕事へ行く準備をする。


私が息子と二人暮らしを始めてから、もうすぐ1年。


サラリーマンをやりながら男手一つで子供を育てるのは大変だが、これまでなんとか慎ましく暮らしてきた。


玄関でネクタイを締め、革靴を履いていたとき、スマホに1件の電話がかかってきた。


知らない番号だったがとりあえず出てみると、その相手は息子を誘拐したとか言ってきた。


電話口の向こうからは確かに息子の声も聞こえる。どうやらイタズラではないらしい。


咄嗟のことで、衝撃的な電話に放心状態で言葉が出ないでいると、相手は続けて


「息子を返してほしければ1億用意しろ」


とまで言ってきた。


そんなお金はない。


私が絶望していると相手は指定の口座や方法を伝え、一方的に電話を切った。

どうしよう。


とにかく息子を助けなくては。

思いつく方法は一つだけだ。やるしかない。


私は急いで銀行へ向かい、1億円を用意した。



そのかいあって息子は傷一つなく無事に返されたが、私が会うことは叶わなかった。














(↓解説はこのまま下にスクロールしてね↓)



















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解説

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このお父さんは急いで銀行に向かい、強盗をしたんだよ。


それで1億円を用意し、すぐに犯人に送って息子を解放してもらった。


でも間もなくお父さんは逮捕されちゃうから、息子と会うことはできなかったんだね。


少しでも早く出所できるといいね…


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