第45話 ステータスの確認とスケルトン


 翌日。


 俺は部屋の椅子とテーブルを動かし、4人で床に座れるようにした。皆でお互いのステータスを確認し易くするためだ。


 アイラを召喚してしまった際に、俺やモモ、アイラの事情はリリーに説明をしたので、今更隠す必要もないということでこうなった。


「それじゃあ始めるか」


「「「うん」」」


 3人は頷く。そして、


【【【【ステータス】】】】


 全員でステータス画面を開いた。


ーーーーーーー


名前:ルーティ

LV:16

ギルドランク:E


HP:170

SP:150

MP:123


力  (STR):67

攻撃力(ATK):70

生命力(VIT):73

防御力(DEF):71

知力 (INT):54

抵抗力(RES):55

器用さ(DEX):58

素早さ(AGI):60

運  (LUK):57


スキル

スキルマスター

剣術スキル LV23:チャージドスラッシュ、グランドスマッシュ、カブト割、

           トリプルスラッシュ

盾スキル  LV20:シールドバッシュ、インパクト、突進

水魔法   LV22:ウォーターボール、ウォーターカッター、

           アイスニードル、アイスウォール

空間魔法  LV22:ストレージ、シールド

時魔法   LV10:スロウ

トラップ  LV 5:解除

体術スキル LV23:タックル、バックステップ、見破る、タウント、チャージ


ーーーーーーー


ーーーーーーー


名前:モモ

LV:16

ギルドランク:E


HP:153

SP:150

MP:150


力  (STR):60

攻撃力(ATK):65

生命力(VIT):60

防御力(DEF):58

知力 (INT):57

抵抗力(RES):55

器用さ(DEX):71

素早さ(AGI):73

運  (LUK):68


スキル

ニュータイプ

2刀流スキル  LV26:エアスラッシュ、トリプルスラッシュ、疾風、乱れ疾風

光魔法     LV22:ライト、ヒール、プロテクト、キュア

風魔法     LV22:サイクロン、ウィンドカッター、ウィンドウォール

空間魔法    LV15:ストレージ

時魔法     LV10:スロウ

体術スキル   LV23:タックル、バックステップ、見破る、タウント



ーーーーーーー


ーーーーーーー


名前:リリー

LV:19

ギルドランク:E


HP:141

SP:111

MP:175


力  (STR):40

攻撃力(ATK):41

生命力(VIT):38

防御力(DEF):43

知力 (INT):48

抵抗力(RES):43

器用さ(DEX):37

素早さ(AGI):41

運  (LUK):39


スキル

棍棒スキル   LV10:チャージドブラント、骨砕き

火魔法     LV23:ファイアボール、ファイアアロー、ファイアウォール

土魔法     LV20:サンドストーム、ストーンショット、

             ストーンウォール

闇魔法     LV23:ブライン、ポイズン、パラライズ

空間魔法    LV10:ストレージ


ーーーーーーー


ーーーーーーー


名前:アイラ

LV:13

ギルドランク:E


HP:90

SP:78

MP:90


力  (STR):26

攻撃力(ATK):27

生命力(VIT):28

防御力(DEF):30

知力 (INT):33

抵抗力(RES):31

器用さ(DEX):25

素早さ(AGI):29

運  (LUK):25


スキル

女神

棍棒スキル   LV13:チャージドブラント、骨砕き

盾スキル    LV10:シールドバッシュ

光魔法     LV20:ライト、ヒール、プロテクト、キュア

風魔法     LV15:サイクロン、ウィンドカッター

空間魔法    LV20:ストレージ、シールド

時魔法     LV20:スロウ

体術スキル   LV 8:タックル、タウント


ーーーーーーー



「え? え? ルーティとモモちゃんって、ステータスがもの凄く高いんだね」


 リリーが自分のステータスと何度も見比べている。


「俺達は女神からステータスのボーナスを貰っているからな」


「うん、うん」


 隣に座っているモモが頷く。


「前に話は聞いてたけど、こんなに違ったんだね~」


 リリーは驚いたせいなのか、全身の力が抜けたかのようにして座り直した。


「このステータスなら、今までの無茶な戦闘も納得出来るわね」


 アイラは後ろに手を付いて、足を前にだらっと伸ばしている。


(俺としては十分に安全マージンを取っていたつもりだったが、この数値を知らなければそう見えていたのかもしれないな。それにしても…)


「アイラが普通の人に見えるね」


 モモが俺の心を読んだかのような発言をする。


「失礼ね!」


 怒っているのか恥ずかしがっているのか、アイラは顔を赤く染めた。


「俺達のスキルもだいぶ増えてきたし、戦い方をまた考え直しても良いかもしれないな」


 この後、俺達は攻撃のパターンの見直しなどを話し合うことにした。



 ◇



 今日は前回のダンジョン探索から戻り、3日目となる。


 そろそろ、またダンジョンへ向かおうということで、俺達はギルドを訪れた。


 3日間の間に地図などの必要な物は揃えたのであとは出発するだけなのだが、ついでに、何か一緒に受らけれるクエストがないかを確認するためだ。


「特にないな」


「常駐クエストぐらいしかないわね~」


 アイラを始め、モモ達もクエストボードを見上げている。


 俺達がこれから向かうのは、ゴールド・ダンジョンの3層だ。3層は主にスケルトンなどのモンスターが存在する。そしてそれを利用したクエストは、スケルトンを倒した時にドロップする骨を回収するというものがあった。報酬は、骨を10個回収すると小金貨1枚となっており、回収するためのマジックバッグはギルドから貸し出されるようになっている。


「これを受けるか?」


「他にないもんね」


 モモも仕方がないと言った顔をする。


「これを受けよう」


 俺はこのクエストの紙を剥ぎ取りギルドのカウンターへと向かった。





「こんにちは」


「こんにちは。クエストですか?」


「ああ、3層のこのクエストを受けたいんだが」


 俺はクエストボードから剥がしてきた依頼の紙をカウンターの女性に渡す。


「畏まりました。それではこのマジックバッグをお使いください」


「ありがとう」


 クエストはものによっては、このようにマジックバッグの貸し出しをされることがある。アイテムの集める量が多かったり、収納魔法では入りきらないと予想される時だ。どうやらスケルトンの骨はかさばる物の類のようだ。


 ちなみに、マジックバッグを紛失したりするとペナルティーが発生するので注意しなければならない。ペナルティーは冒険者ランクが下がったりなど、色々あるそうだ。


 ダンジョンへ入る準備はできていたので、俺達はそのままダンジョン前の広場へと向かうことにした。





「アイラの装備良いな~」


「私も、新しい装備が欲しくなっちゃった」


 モモとリリーが羨ましそうにアイラを見ている。新しい防具で色も変えたので、今のアイラはそれなりにお洒落だ。


「大丈夫よ。3層でお金稼ぎをするんでしょ?」


「ああ、その予定だ。それにスケルトンを倒すと、運が良ければスケルトンメイルなんかも手に入るらしいからな」


 スケルトンメイルは防具屋でも売っているのだが、元々3層で金策をする予定だったので、それを買うのは見送っていた。まあ、買う金も無かったのだが…。


 それと、モンスターがドロップするアイテムには、何かの効果が付いたものが出易いと言われている。勿論、スケルトンメイルは鍛冶スキルでも作ることはできるのだが、作ろうと思うとそれなりの材料が必要となり、その性能を考えると作るまでには至らなかった。


 あと、スケルトンメイルだけではなくボーンリングといったボーンシリーズのアクセサリーも落とすことがあるらしい。このアクセサリーには、攻撃力+3という効果が付いているそうで、今の俺達にはかなり有用なアクセサリーとなる。なので、できればこれも入手しておきたい。


 という訳で、今回のダンジョン探索は金策も兼ねてゆっくりと回る予定だ。


 広場に到着した俺達は、前回と同様にテレポート屋に頼んで3層まで送ってもらうことにした。



 ◇◇



「到着!」


 シュタっという感じのポーズをモモが取った。


「やっぱり早いね!」


「テレポートは便利よね~」


 目の前には3層のキャンプ地が見えた。


 テレポートは着地の時に足元がふわっとして、エレベーターに乗った時のような感覚が起きるが、やはりこれはとても便利な魔法だった。


(テレポートを使えるようになりたいが、まだまだ先の話になるだろうな~)


 そんなことを考えながら、俺は皆に注意事項を説明する。


「今回は洞窟だから好き勝手に走り回らないようにな。それと、帰還のスクロールは1人1枚ずつ、ちゃんと持っているよな?」


「「「持ってる(わ)」」」


「万が一はぐれたら、それで街に戻ってくれ。それと、トラップもあるようだから、怪しいものには絶対に近づかないように」


「「「はーい」」」


(何だか遠足に行く時のような気分だな…)


 どこか締まらない感じになってしまったが、3層にはトラップがあるので今まで以上に注意しなければならない。


 ダンジョンのトラップは基本的に、同じ場所に繰り返し自然発生するそうだ。どういった仕組みなのかは分からないが、一度発動させたトラップも時間が経てば元に戻ってしまうという。


 ただ、既にこのゴールド・ダンジョンは、ほぼ全てが解明されているということで、地図にはトラップの位置が記されている。なので、未知のトラップをうっかり発動させてしまうという体質の持ち主が居なければ、比較的安全に進むことができる。


 俺達は地図を確認しながら、まずは戦闘の行い易い開けた場所へと向かうことにした。





 キャンプ地からダンジョンの奥へと進むと、早速、1匹のスケルトンと遭遇した。スケルトンの強さはゴブリンを少し強くした程度だと話を聞いている。


「まずは俺が戦ってみるな」


「行ってらっしゃ~い」


「気を付けてね」


「お兄ちゃん、頑張って!」


 アイラがひらひらと手を振り、リリーが心配そうな顔をして、モモはやっちゃえーというポーズを取った。


 俺は皆の応援を受けながら、スケルトンへと近づく。


(スケルトンの装備はアイアンソードとアイアンシールドか? ゴブリンと違って武器はそれなりの物を使っているようだが、鎧は着ていないんだな)


 距離が残り5メートルといった所でスケルトンがこちらに気が付き、右手の剣を振り上げながらこちらに走って来る。


 俺はあえてそれを盾で受け止めた。


『ギン!』


 金属同士のぶつかる音が洞窟の中に響く。


(ゴブリンより強いと言っても、大したことはなさそうだ)


 そのまま盾で剣を上へと弾き、空いた胴体へ攻撃を仕掛ける。


(骨は切れないからな。ここはぶった切る!)


 俺は袈裟切りの形で剣を力強く振り下ろした。


『バキバキバキバキ!』


 乾いた音と共に、鎖骨から肋骨までの骨がへし折れる。


 この一撃が致命傷となったようで、スケルトンは体を維持することができなくなり、崩れるようにして体中の骨が地面へと散らばる。そしてそのまま、霧となって消滅をしていった。


(この程度なら、アイラでもなんとかなりそうだ)


 俺が消え行くスケルトンを見つめていると、モモ達が駆け寄ってきた。


「お兄ちゃん、どうだった?」


「ああ、あまり強くはなかったよ。たぶん、アイラでも大丈夫だと思うから、次はやってみるか?」


「ええ、任せて!」


 アイラがやる気を見せたので、俺達は次のスケルトンを探すために、更に奥へと進むことにした。





 ちなみに、骨は包丁のような刃物では切断することができない。それは勿論、硬いからだ。骨を切断する時は鉈包丁といった普通の包丁よりも分厚く丈夫なもので、叩き割るようにして切断するのだが、これは素人はやらない方が良い。


 やり方を十分に理解していないと、誤って自分の指を切断してしまうという事故が起こるので、安易な気持ちで行うことは絶対に止めよう!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る