美月のおかん

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンめちゃくちゃ鳴ってるインターホンで俺は、起きた。


「はい」


「みっくんのお母ちゃんです。」


「はい」


俺は、頭を軽く叩きながら玄関を開けた。


美月のおかんが、玄関に入った瞬間。


「みっくんを助けて下さい。お願いします。」


って、頭を下げてきた。


「何(なん)の話しですか?」


俺が、言うとお母さんは、顔をあげて言う。


「みっくんのヒーロー、みっくんを助けて下さい」って言いながら紙を渡してきた。


「これって」外し忘れた時計を見る。


「後、一時間やん」


「これのせいやろか?」


美月のおかんは、くん以外塗りつぶされてる紙と手紙を渡してきた。


「読んでいいんですか?」


「ええよ。」


そう言われて、読んだ。


その文章で、美月の姉ちゃんが何をされたかが何となくわかった。


「心春、心春、起きろ」


俺の言葉に、ボサボサ頭の心春がでてきた。


「朝からうるさいなー。何?」


俺は、急いで服を着替えに行く。


「服着替えろ」


俺は、心春に言った。


「タクシー呼ぶわ」


美月のお母さんが、タクシーを呼んでくれてる。


俺は、部屋の段ボールに足をぶつけた。


「いたいな、ボケ。腹立つわ」


目が覚めた。


ダッシュで着替えた。


「何の説明もされてないよ。」


心春が、服を着替えて現れた。


「ちゃちゃと、顔洗って頭直せ」


俺の言葉に、心春が洗面所で直してる。


「そんなんつけとる暇ない」


俺もさっさと顔洗って、寝癖を直す。


玄関の段ボールから、水をとって心春に渡す。


「お母さんも、どうぞ」


「ありがとう、もうタクシーきてるわ」


「はよ行くで、心春」


そう言って俺達は、家を出た。


お母さんが、見せてくれた住所に向かう。


「姫路市の…」


時間的に、美月のお母さんが来てから20分は経ってる。


お母さんは、心春に状況を説明して手紙やメモを見せてる。


嫌な予感しかしない。


50分程かかって、やっとマンションについた。


「ここですね。」


俺は、お金を払った。


「何階やったっけ?」


お母さんが、メモを見せてくれた。


3階や。


「行こうか」


俺と心春とお母さんは、その場所に行く。


ガチャガチャってやっても、鍵がかかってる。


ピンポーン、ピンポーン、インターホンをめちゃくちゃ鳴らしてドンドン叩いた。



「お前、うっさいぞ」


横の人が、でてきた。


「心春、インターホン鳴らしてて」


俺は、隣の人に「すみませんが、ベランダ行かせてもらえませんか?」と聞いた。


「なんでや?」


「従兄弟が、死ぬって連絡きてから連絡つかへんのです。そこから、隣に行けないでしょうか?」


俺の嘘を信じてくれて隣の人は、居れてくれた。


「落ちたアカンで、兄ちゃん」


そう言いながら、その人は俺を見てる。


映画やドラマでこんなシーンあったわ。懐かしい。


俺は、落ちないようにしながら隣のベランダに入った。


「兄ちゃん、頑張れよ」隣の人は、そう言っていなくなった。


カーテンついてないみたいやな。


俺は、窓を触るけど鍵がしまってる。


ゴンゴン、叩いても返事もしない。


もう一度見る。


ヤバい、とっさに俺はスマホを勢いよく投げつけた。


パリン…


その音に、動きが止まった。


近づいてきた。


美月やった。


手が血だらけや


「開けろや」


俺の言葉に、鍵を開けてくれた。


「何してんねん。」


「まだ、殺れてない、殺れてないねん。」


俺は、美月を置いて玄関の鍵を開けた。


「みっくん、何してんの?」


美月のお母さんが、美月を見てる。


俺と心春は、倒れてる男に近づいた。


「生きてるか?」


鼻血や口から血がたくさんでてるけど、生きてる。


「ゴホッゴホッ」起き上がった。


「お前、灰原やんけ」


「どうも、あんたが割らんかったら死んでたわ」


そう言ってる。


「救急車、呼ぶか?」


「いらんよ、自力で病院いけるわ」


「いつから、殴られてた?」


「インターホン鳴った時ぐらいかな」


立ち上がる事は、出来ないようだ。


俺は、ティッシュを差し出した。

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