魂だけ勇者召喚された俺に女神が慌てて謝りに来たのでスキル付け放題~転生する筈が女神の加護まで貰ったので、成り上がりたくはないのだが女にモテてしまい調子に乗ったら辺境国の国王された

主水

第1話 プロローグ

 仕事の失敗を上司になすりつけられて、証券会社をクビになってから働く気力が湧かず、妻とは喧嘩の毎日だった、そして机の上に離婚届を置いて妻は娘を連れて出ていった。



それからはギャンブル三昧だ、俺の3つの趣味の中の1つ競馬である。


東京競馬場の最終レース、騎手の背中と馬が光って見える人気の無い馬だ。たまにこう言う時が有る、迷わず買いだ。


もちろん当たる、新宿で遊んで行くことにした、女でも抱こう、気分は最高だった。


だが、ここが分かれ目だったのだ、猫の様に注意深く用心すべきだった。


絡まれている女性を助けに入った俺に、チンピラのナイフが迫ってくる。


だが俺には余裕があった、学生時代に古武道をやっていたので軽く避けられる。そのはずだった、しかし足元に現れ始めた魔法陣に目を奪われて、のどを裂かれ死んだのだ。




         ☆☆☆☆☆



「召喚されんでは無いか」

「そ、そんなはずは」


「今回は失敗の様だな」

「申しわけ御座いません」


「急ぎ魔石を集め、再び召喚を行うのだ」

「かしこまりました」



奴らには、俺が見えないらしい。俺にも自分が見えないのだが。


俺の記憶とこいつらの話しから推測すると、どうやら俺は召喚される所だったらしい。


今は死んで魂か幽霊の状態か?そのお陰で、観る人物がどんな奴だか何となく判る、取り合えず城を一周してみるか。


こいつが国王か、傲慢・強欲だな、あっ、さっきの側近だ、こずるい奴、こいつは信用出来ない。


この女性は正妻、第一婦人で女王だ。性格はきつそうだ。この子は生まれて2年位かな、王女様。優しい女性に成りそうだ。


第二婦人に第三婦人、よその国の人だ政略結婚・人質って所か、それぞれの息子達と取り巻きか。


国王の家臣かな?……ただならぬ雰囲気、この男は強いな。



観て回ったけどトラブルの素だらけだ、生きて召喚されてたら酷い目に会う所だったな。


さて、どうしようか?こんな所にはいたくないし、なんか人に憑依出来そうだし、イケメンに憑依して女を引っ掛けて、静かに暮らすか?


良し決めた、そうしよう。と思ったら目の前が真っ白くなって、美しい女性が前にいた。



「音無真琴さんですね」

「貴女は?」


「私はこの世界の理と性の神です、貴方に謝罪しに来たのです」


「なんで?」


「貴方は別の世界に転生するはずだったのですが、この世界の愚かな人族が勇者召喚と称して、貴方をこの世界に召喚したのです。その為、貴方の転生するはずだった世界の神に猛抗議を受けまして」


「するとタイミングの問題で俺の魂だけがこの世界に?」


「はい、そうです。そして私の役目は貴方をこの世界に転生させる事です」


「本当ですか?」


「はい、お詫びとしてご希望のスキルをお付けします」


「何個まで?」

「お詫びなのでいくつでも」


チャンス!ここは今までやった趣味のゲームに出て来るスキルにド○エ○ンの未来道具を合体させる。


「この世界にアイテムBOXのスキルって有りますか?」


「有ります」


「ではそれに、自分を含めた生き物を入れられる様にして欲しい、そして時間を停止・進める・戻すが出来ると良いです」


「う~ん、希望通りになる様にしますが、真琴さんの思った様に作用しないかも知れません」


「それでいいです、俺の我が儘ですから。後、この世界に有りそうな希望を上げますね」


「どうぞ」


・魔力の自動回復

・魔法を無詠唱で発動

・精神攻撃無効

・毒、麻痺の無効

・病気にならない

・自動回復

・自動再生

・魔法、物理攻撃に対する結界

・魔物や人、生き物を動けなくする

・考えただけで、物を動かしたい

・人のスキルや物を鑑定したい

・人に気を悟られ無い様な

・周囲の状況を確認出きる様な


「この13個は大丈夫です」


「それと物を大きくと小さく出来る様なスキルを」


「全てとは行きませんが?」


「良いです、後、錬金術と物の複製スキルをお願いします」


「複製は、神に関する物は出来ても効力は得られません。もちろん神や人の複製は無理ですよ」


「魔物は?」


「生き物でしたら、虫とか動物、魔物は大丈夫です」

「それでいいです」


「分かりました」


「以上で良いです。そこでお願いがあるのですが、俺のスキルが他の人に判らない様にしてもらえませんか?」


「では、私の加護をつけておきます」

「ありがとう御座います」



「それでは、頑張って下さい」


ああ、意識が薄れていく。


ーー


う~ん、ここは?……そうか転生したんだっけ。


「貴方、リックが目を覚ましたわよ」


この人が新しい母上か、少し厳しそうだな。


「おお、待望の父母とも華麗な血筋の子だ、私に似て聡明な目をしているな」


なんだこの強欲そうな親父は?……ん、どこかで見た様な、あの傲慢な国王だ。


ま、まさか、あいつの息子に転生したのか?ゲゲゲ。


神様、勘弁してください。最悪です、こうなったら何とか無事にここを出ていく方法を考えねば。


どう考えても権力争いに巻き込まれるのは必至、負ける気はしないがこの国にいるのは御免だ。




「リック様、お食事の時間でちゅよ」


おお、何も出来ない俺の唯一の楽しみ、巨乳メイドさんのおっぱいタイム、母上は乳が出ないで良かったのだ。


そうそう、あれから考えたのだがスキルは神様からもらったのでOKだ。


後は、体力・体術・剣術とそれを補助する支援魔法の修得だな。


「はい、今日は終わりでちゅよ」


ああ、俺の巨乳が行ってしまう、残念。



5才になって自由に歩ける様になると城の裏の森に行って虫集めをした。なぜかって?


俺の趣味のクワガタ育成のお陰か召喚のせいか、神様に頼んだスキル以外にインセクトと言うスキルがついていたのだ。


虫をティム出来るらしいので集めている。子供だから怪しまれないので良い。


6才では、書庫に入ってこっそり補助魔法を徹底的に勉強した。


2人の兄貴達は俺より4つ年上で、魔法・剣術共に才能があるらしい、家庭教師に誉められて強欲親父もご満悦だ。


この世界では貴族・王族は10才になると、この手のゲームによくあるスキル鑑定の儀があり、14才でダンジョンに入り成人の儀とするらしい。


ブラット兄さんは、火・風の属性で、魅了のスキルを持っている、男前だし危険な匂いがプンプンする。


ドロン兄さんは、水・土の属性で覇王のユニークスキル持ちだ、こっちもヤバイね。


今の所、姉も兄貴達も俺に優しいし仲良くやっている、問題はそれぞれの取り巻きの連中なので、注意が必要だ。



今後の俺の目標は体力作りだが、明日になれば俺も7才になるので家庭教師がつく、楽しみでもある。


出来れば女性がいいな。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る