どこまでも遠く

桜瀬悠生

青い空

 ある朝、目覚めると部屋に光が射していました。


 雲ひとつない青空が、僕に語りかけてきます。


 どうして、きみはひとりぼっちなの?


 答えに困った僕は、ただ目をそらして――。


 昔は、心まで光を届けてくれるような青空が好きでした。


 コンクリートに寝そべって、大の字になりたかったものです。


 それなのに、ああ、いまは寂しさしか感じません。


 数字をひとつ手に入れるたび、僕は少しずつ失っていきます。


 この美しい青空も、やがて曇ってしまうのでしょう。


 それでも、いまはまだ晴れわたっています。

 

 ほんの少しの暖かさが、冬の日に訪れてくれました。

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