探偵ソフィちゃん

ヤッキムン

第1話

ロンドンで生まれた。両親がロンドンで働いている時に、自分は生まれた。なんとなく、テムズ川沿いで暮らしてたような感じを覚えている。テムズ川沿いのアパートの外階段をトントンッと上がって、すぐ玄関があって、入って部屋があって、その部屋の窓ぎわに、ベビーベッドが置いてあって、そこに自分は寝ていたように思う。目覚めた時は、ベビーベッドの横にある低いタンスの上に、座布団が敷かれてあって、そこに自分はドンッと置かれて、座ってたような気がする。

ベビーカーで、両親と一緒にテムズ川沿いを散歩していたように覚えている。きれいな白人のお姉さんと、すれ違って、おたがいに顔を見合せて笑ってた。

部屋では、お父さんが、お餅を風呂敷に包んだものを、赤ちゃんの自分の背中にくくりつけて、力持ちになるようにと、自分にしゃべりかけながら、時には泣いてる自分の写真もしっかり撮ってくれてた。

たまには肩車されながら、近くの公園まで散歩に行ってたみたいだ。ロンドンの動物園にも両親と一緒に遊びに行って、ゾウさんのぬいぐるみを手にしっかり持って、嬉しそうに歩いてる写真もある。自分はまだちっちゃいのに、両親と一緒に美術館や博物館やミュージカルにまで、連れて行ってもらってた。

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