第9話 時をかける妹 Returns

 額に落ちた雨漏りで私は目を覚ました。


 泣きつかれて寝てしまったようだ。


 ボロボロの天井を直してくれる人はもういな──。


「おーう、やっと起きたかー寝坊助!雨漏り直すから……」


 枕元に兄が立っていた。私のたった一人の家族。大好きだった兄が……。


「はぁ!?」

「なんだあ?幽霊でも見たような顔して」


 私は兄に飛びついた。


「うわっなんだよ」

「殺されてんじゃないわよ!!」


 私は兄のブヨブヨの腹を蹴りながら泣いた。


「イテッ!イテッ!やめろ!」

「ねえおにい……クソ兄貴、今日は何日?」

「あ?今日は……」


 私は再び結婚式の3ヶ月前に戻っていた。

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