第45話レベル上げ

【レベル上げ】


―12月 豊島の昼は寒い

俺達高校パーティーは、今13階層に

15階層までボスはいないから年内に15階層をクリアして、年が明けてから16階層から毎階層にボスがいるから、2月までに19階層をクリアできれば2年生は確実にAクラス!


皆で目標を立てた、但し無理はせず と限定付きだけど。


大谷さんも新しい弓、楠さんは多量のポーションがあるし、さゆりさんの訓練の成果で皆にヒールをかけまくっても大丈夫。


レベル15になればスキル枠が1つ取得できるから、それからはバフを取得すれば、今までより強くなれる。


目安は15階層クリア、あと2階層、でも無理はしない。


いつもと同じフォーメーション、伊達君の盾使いも大剣さばきも、大谷さんとの連携もどんどんうまくなっている。


今日の目標は14階層まで、ゆっくり確実に進んでいるので、無理をすれば15階層ボス部屋前までいけるだろうけどあせらない。


13~15階層は大森林が広がる。

13階層は季節に関係なく蒸し暑く、ここは虫M(モンスター)の階層

「虫ばっかり」

「うん」

「私、どうしても苦手なのがいるんだけど、出るかな~」

「私も、ガイドに、 いるって書いてあったんだよね」

「どうしよう」

ダンジョンガイドを参考に、大谷さんは小さめの矢を多めに射っては拾っての繰り返し。

伊達君は虫に向かって大剣を振り回しながら、盾で2人を守りながら歩く。


正確に狙って切るというより、大剣でたたき落とす感じなので結構体力を使う。

初級ダンジョンの虫M(モンスター)は1匹だけなら、ゴブリンよりも簡単に倒せるけど、数が多く、だんだん疲労がたまってくるし、それでもひっきりなしに虫Mが飛んでくるから、精神的にも疲れがたまって 集中力が欠けると ポイズンビーに刺され動けなくなったり、アイアンスキャラブが突っ込んできて当たり所が悪いと頭蓋骨陥没とか大変な事になる。


ただここの虫Mは、コアは小型の商品、例えばスマホとかのエネルギー源になるし、ポーションの材料がドロップされる事が多い、ムキアデ(ムカデに似ている)とかゲジゲンジ(ゲジゲジに似ている)なんかはうまく倒せれば高級漢方薬に使われ高値で買い取ってくれる。

稼ぐにはとても良い階層。


ただ、まったく使い物にならないモンスターがいる Dコックローチ

地面をゴソゴソ這っているので剣で突き刺そうとすると、すごい速さで逃げ回り、時には飛んで襲ってくる。

実は変態性毒を持っているが、体内に入らなければまったく害はないし、ドロップ品もなくコアのみ。


ただただ気持ち悪いだけの虫M(モンスター)。

この前から楠さんは多種多量のポーションを装備してるから、今回も虫M対策用のポーションを用意しているので、大丈夫ではあるけれど、治療、回復する時間だけ攻略が遅れるから、なるべく避けたい。

皆は周りを注意しながら虫Mを倒して前に進む。


伊達君が地面を見て固まっている、

でた、Dコックローチ

ただただじゃまなだけ。

ゆっくり大剣で刺そうとしたら、あ~

逃げたと思ったら やばい、大谷さんの処に

「ギャーッ」それを見た楠さんも「ギャーッ」

まずい。

「伊達君」そう言って俺は廻りを警戒する。

伊達君はDコックローチ退治

なんとか退治できたけど、その間は俺1人が周りを警戒し、パーティーとしての機能が止まってしまった。

13階層の出口にたどり着いた時、皆は精神的にヘトヘト。

「今日はこれで帰ろう、大谷さんと楠さんはDコックローチに慣れないと結構きついよ、Dコックローチを自分で倒せるようにならないと、15階層に行く前に今日みたいにヘトヘトになっちゃうからね」

「「うん」」 落ち込んでいるようだけど、これくらい克服しないと先には進めないから、きつく言う。

豊洲にも川越にもコックローチMはいるし、豊島よりもっと強烈なんだから。

「きついようだけど、次は2人にコックローチMを倒してもらうからね」

「「うん」」


今日は、ダンジョンの出口で解散 大谷さんと楠さんはこれから2人でその対策について相談するみたいなので、俺はここで別れた。


次の日、いつものように講義があり、授業が終わって皆で闘技場で訓練、2人は何かを覚悟したようで、いつもと違う事をやっていたので、伊達君と2人だけで訓練をした。


あれから、大谷さんも楠さんも口をへの字にしながら、コックローを倒した(踏みつけて刺殺した)

目がうるうるしていたけど。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る