第18話 優美の贖罪

やってしまった……。

まさか葬式の日に両親の死以外の理由で泣くことになるとはな。



「すいません春香さん。」


「これからも甘えてくれていいのよ〜。」


「いえ、そっちじゃなくてですね【ガシャッ】」



「茜たちが帰ってきたみたいね。」


「この女狐が‼︎」


「コラッ‼︎茜、春香さんに失礼だぞ。」


「お兄ちゃん、もうこんなに骨抜きに……私の彼氏に何してくれてるのよ‼︎」


「あらぁ〜もう照君は私の彼氏なんだけどぉ〜しつこい女は嫌われるわよ、元カノさん。」 


「あの2人とも落ち着いt『『お兄ちゃん(照君)は黙ってて‼︎』』……はい。」



泣きそうになっていると、優美が話しかけてきた。



「ねぇねぇ照?さっき帰ってくる時に、茜に聞いたんだけど私たちの会話聞いてたって本当?」


「あぁ。というかあの時の告白は嘘だったんだな。」


「あ、いやそれは『大丈夫だから落ち着いて。別に怒っているわけじゃない。今は好いてくれてるってわかってるから。』照……あの時は本当にごめんなさい。」


「だから怒ってないって。」


「それでも私なりの贖罪だから。」


「じゃあ贖罪ついでになんで嘘告したか教えてよ。」


「ほら当時の私ってかなりの陰キャだったでしょ?」


「そういやそうだったな。」



そうこの幼馴染今でこそカーストトップの美少女だが、告白してきた中3の頃は典型的な陰キャだったのだ。

それでこれまた典型的な高校デビューを果たしたのだ。



「もうここからは簡単でしょ……イケメンなあんたに告白して玉砕する姿が見たかったんでしょうね。」


「何言ってるんだ?俺がイケメンなわけないだろ。」


「あ〜はいはい、もうそういうのいいから。」


「「お兄ちゃん(照君)‼︎イチャイチャしてないでこいつになんか言ってやってよ。」」


「二人とも一回整理しよう。」


「「生理?」」


「ちげぇよ‼︎読者にしかわからん言い方すんな‼︎しかも何気に初の下ネタ(?)だし‼︎」


「で、整理ってどう言うこと?」


「いいか、まず俺は茜と付き合っていた。でも、お前が俺を騙して俺の時間を奪った。だから俺は春香さんと付き合うことにした。ここまではいいか?」


「ちょっと待ってお兄ちゃん‼︎この女狐と本当に付き合ったの⁉︎」


「待て茜、それを今から説明する。あれから考えたんだが茜は俺のためにあそこまでしてくれたんならそれも一つの愛の形かなって。確かに俺が失った時間は大きい。でもそれと同じくらいのものを得たと思う。だから春香さんすいません。俺は茜を選ぶことにします。」


「お兄ちゃん‼︎‼︎」



茜が抱きついてきた。



「うわっ。お前なぁ〜。」



口ではそういってるものの顔はにやけている。



「えへへ〜お兄ちゃん大好き。」


「俺もだよ茜。ところで一応聞いておくけど隠し事はもうないよな?」


「………………。」


「茜ぇ〜。(怒りのオーラ)」


「お兄ちゃん顔が怖いよ。」


「誰のせいかな?」


「わかった話す話すから‼︎実は……」

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