負けられない戦い

「こうなったら、これで決めるのです!!」


 ラナークが右手を上げると、参加する面子も右手を上げる。

 その手には六枚の紙が取り出される。


「何? 何をするの?」

「公平な勝負なのです」


 エレナの言葉に、ラナークは説明する。

 初めに、紙を六枚用意する。

 それぞれ表面に赤・青・緑の三つの色が塗られた紙を六枚取り出す。


 それぞれが色を出す。

 人数によるが、被った場は流し……その紙は使うことが出来ない。

 

 それぞれの点数は

   勝    負

 赤 3点   -1点

 青 2点   -2点

 緑 1点   -3点


 それぞれ六回繰り返し、最後の点数が多い方が勝ちとなるのだ。

 この勝負は人数が多ければ多いほど心理戦になるのだ。


「エレナさんもやるのです?」

「……やる」


 正直いまいちルールは分かっていないが、エレナも彼のそばに居たいのか参加することにした。


「レインは?」

「しょうがないから、私もやるわよ」


 レインはベルに言われると、参加すると表明した。

 

「他に参加者はいないようなので、開さ……」

「私も参加するよ~」


 ゆるりゆるりと浮きながら、ノウェムが部屋に入ってきた。

 先程のキリっとした顔ではなく、いつもの眠そうなノウェムだった。


「速すぎでしょ、それにノウェムは眠いから無理でしょ」

「そんなことないよ~、レウルのそばで寝て見守ることくらいはできるよ~」


 その言葉に反応したごく一部は、その手があったみたいな顔をしている。


 !!

 

 そうして、戦いが幕を開けた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る