当事者
次の瞬間、僕はすぐに動く。
彼女は捕えた女の目の前まで来ていた。
躊躇いのない踏み込みだった。
僕は彼女が振った剣を背中腰に帯刀している短剣を抜き、彼女の剣の軌道を逸らす。
彼女の攻撃は女性を捉えることはなかった。
軌道は逸れ、勢い余ってその場に転げ落ちる。
彼女の剣は明後日の方向へ飛んでいく。
しかし、そんなことはどうでもいいのか、彼女に掴みかかろうとする。
「落ち着け」
鎖の魔法を放ち、彼女を落ち着かせる。
しかし、彼女は止まらない……鎖が腕に食い込み、動けないはずなのに、彼女は怒りに任せて引きちぎろうとする。
このままでは彼女は腕を引き千切ってでもこちらに来るだろう。
「少し眠っててくれ……」
危険と判断し、彼女の目に触れる。
すると彼女はスゥっと眠りについた。
陰魔法の応用だ。
とはいっても普段の奴らなら対魔力で効かないが、理性を失っているから使える魔法なのだ。
陰魔法は無意識の警戒心がある場合、ほとんど効くことはない……。
意識を刈り取る魔法でも意識的と無意識両方の場合、少しくらいだ。
「お前達、二人の微精霊はここの奴らか?」
「そうだ、元々ここ出身の奴だった」
リーダー格の男がこれ以上隠しても意味がないと踏んだのか、口を開いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます