魔法講義

 魔法とは式だ。

 物の値段を見た時、金銭の計算をする。

 硬貨の種類を見分け、それを組み合わせ渡す。

 これと同様に複数の魔力を組み合わせ、魔法の式を脳内で形成する。

 あとは手をかざすか、初心者は指をくるりと回し円でイメージしやすくして脳内の式を展開して魔法を放つ。

 イメージはその人特有なので努力をすればいいが、一から教えるのならまずは魔法円を描くことから始めるのがいいだろう。

 他の二人には悪いが、これも基礎として再履修してもらおう。


「それじゃあ、まず最初に魔法円を作ってもらう」


 そう言って僕は右手の人差し指とたて、くるりと回す。


「指先に魔力を集中させて円を描く、やってみろ」

「こう、ですか?」


 そうすると、微精霊達は僕の真似をしようとする。

 微精霊Cは出来るのに対し、先程風刃を一発で出来た微精霊Aは上手くできなかった。

 

「あれ?」


 もしかして、この子は……。


「なぁ、君この魔法は出来るか?」


 右手を前に掲げ、魔力を流す。

 上級魔法、魔装だ。

 魔装はそれぞれの属性を基に形成される。

 全てが似ていることはあっても、全く同じという事はないのだ。

 僕の魔装は雷が剣の形を成している。

 僕の魔法適性は雷・聖・火・水・風・陰だ。

 魔法適性とは生まれながらにして魔法の特性のようなものだ。

 それぞれ扱いやすい魔法と扱いにくい魔法がある。

 この子の特性は解らないが、恐らくこの子は……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る