問題解決
「セリス、ありがとう」
「いえいえ、気にしないでください……貴方様の為ですから」
お辞儀をしてから僕の方をじっと見つめてくる。
「どうかしたか?」
「いえ、その……」
照れくさそうな顔で僕の方から視線を逸らす。
どうしたのだろうかと思っていると、レティーが袖を引っ張ってくる。
ポーズからして何か言いたそうなのでかがむ。
「兄様、セリス姉の頭を撫でてあげて……」
そう耳打ちされ、僕は言われた通りに彼女の頭を撫でる。
セリスは頬を真紅に染めていたが、嬉しそうだった。
「ありがとう、また頼むよ」
「はい」
そう言うと、セリスは箱の中に戻る。
「お前らも、もう戻れ……」
そう言おうとしたが、部屋には誰もいなかった。
逃げたか……。
まぁ、しばらくしたら魔力が切れそうになるので戻ってくるだろう。
今日はとりあえず、あいつらに羽を伸ばさせてやるか……。
そう思いながら、魔王城へ続く門へ向かう。
そして魔王城に入ると、門番が倒れていた。
「どうした!?」
目を開ける。
意識はしっかりとしているようだ。
「門から見知らぬ蒼髪と紅髪の少女が……」
「あー、そういう事ね~」
うん、まさかここに入っているとは……。
探検途中で見つけるにしても偶然すぎだろ。
急いで僕は魔王城の最奥に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます