問題解決

「セリス、ありがとう」

「いえいえ、気にしないでください……貴方様の為ですから」


 お辞儀をしてから僕の方をじっと見つめてくる。


「どうかしたか?」

「いえ、その……」


 照れくさそうな顔で僕の方から視線を逸らす。

 どうしたのだろうかと思っていると、レティーが袖を引っ張ってくる。

 ポーズからして何か言いたそうなのでかがむ。


「兄様、セリス姉の頭を撫でてあげて……」

 

 そう耳打ちされ、僕は言われた通りに彼女の頭を撫でる。

 セリスは頬を真紅に染めていたが、嬉しそうだった。


「ありがとう、また頼むよ」

「はい」


 そう言うと、セリスは箱の中に戻る。


「お前らも、もう戻れ……」


 そう言おうとしたが、部屋には誰もいなかった。

 逃げたか……。

 まぁ、しばらくしたら魔力が切れそうになるので戻ってくるだろう。

 今日はとりあえず、あいつらに羽を伸ばさせてやるか……。

 そう思いながら、魔王城へ続く門へ向かう。

 そして魔王城に入ると、門番が倒れていた。


「どうした!?」


 目を開ける。

 意識はしっかりとしているようだ。


「門から見知らぬ蒼髪と紅髪の少女が……」

「あー、そういう事ね~」


 うん、まさかここに入っているとは……。

 探検途中で見つけるにしても偶然すぎだろ。

 急いで僕は魔王城の最奥に向かった。

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