43 聖剣対ラナーク

 剣の衝撃波がぶつかり合い、軋みあう。

 衝撃波で周りの草木が吹き飛ぶ。

 しばらくバチバチぶつかると、爆発する。

 ラナークを地面に突き刺し、爆発の衝撃を防ぐ。


「ご主人、地面に刺すのやめていただけないか?」

「この威力を受け止めろと?」

「ご主人なら受け止められるでしょうに」


 正直、この程度の威力造作もないが受け止めるのが面倒臭いがそれを言うとラナークが拗ねかねないので言わないでおく。


「この方が効率的だ」

「なら良いですけど、もしかしてですけど面倒臭いとかではないですよね?」


 こいつ、鋭いな……。

 

「そんなことないよ、君の力を信用してるから任せてるんだよ」

「そ、そうですか!? それなら地面に刺さるのも悪くないです」


 上機嫌な声で言うラナーク。

 正直、チョロいと思ったが、僕はそのままラナークに声をかける。


「まだいけるか?」

「余裕でいけます!」


 気遣う必要はなかった、初陣で気合が入ってるようだった。

 僕は聖剣の男を見る。

 男は何が起こったかわからないといった顔で僕を見ている。


「さて、まだやるか?」


 聖剣の一撃を退けたのが効いたのか、完全に戦意喪失している男に聞くと男は首を横に振る。


「ならいい、それと聖剣は使いすぎない方がいいよ……それは君の命を削るものだから」

「それはどういう……」


 わからないのも無理もないか……。


「とにかく、その聖剣は君だけでなく、世界にも害を及ぼすことも覚えておいた方がいいよ」

「だから、どういう意味だ?」


 そろそろか……。


「おい、なんとか言…え……」


 そう言いかけると、僕の目の前で男は膝から崩れ落ちた。

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