16 久しぶりの三人での会話
敵は王国騎士団というノウェムに異議を唱えることは出来なかった。
あの時の国王は僕に魔王軍一人で戦っているノウェムを援護する為だったと言って少数精鋭で行ったと国王は言っていたが、肝心の団長は待機で怪しいとは思っていたがまさかノウェム討伐隊の編成だったというわけだ。
結果的に部隊は全滅、ノウェムは戻っても身の危険がある為魔王軍幹部カノンに保護されたとそういう事らしい。
「まぁ、戦って劣勢になっている所にたまたま森を調査中のカノンがいてくれてよかったわ~」
「私もいたわよ?」
「そだっけ?」
「居たわよ! だから戦闘しなくて済んだんじゃない!」
「細かいことは気にしない~」
両手を肩まであげて「やれやれ~」ってな感じでエレナを煽る。
エレナは頬を膨らましながらノウェムの頬を引っ張る。
「やへて、わるはってて《やめて、悪かったって》」
「私を煽る悪い口はこれね!」
「ふぁ~、てすへてへうら~《助けてレウル~》」
「はぁ、自業自得だ」
「ひょんな~《そんな~》、ひゃくひょうほの~《薄情者~》」
この会話、懐かしいな……。
三人で村にいた時はよくこんな会話をしてたっけ。
ノウェムがエレナを弄り、それをなだめる。
なんてことない日常が酷く、懐かしく思えた。
あの瞬間だ、聖剣が彼女エレナの前に現れてから全てが変わってしまった。
一人抜ける、たったそれだけで僕達が関わる頻度は少なくなり、やがてなくなった。
「? 何を笑ってるんだ!」
「あぁ、すまん……なんだか、懐かしくてな……こうして三人でこういう会話するの」
またこうして三人で話す機会が訪れたことを心から喜んだ。
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