第2話 噂
『そんなに痒がってたらカユミちゃんが近づいて来るよ』
TLを見ていると目に飛び込んできた
「カユミちゃん?」
初めて目にする言葉に好奇心がくすぐられる
「山田くんさん『カユミちゃん』ってなんですか?」
「あっ翡翠さん
私も友達の友達から聞いた話なんですけどね」
「カユミちゃんは痒がってくる人達の前に現れると言われていて近づいてくる度にだんだん痒みが増してカユミちゃんと同じように全身掻きむしって悶死してしまう怪異らしいよ
それでほらピギーさんが花粉症で目が痒いらしいから『カユミちゃんが来るぞー』って遊んでたのよ」
話を聞いてるだけでなにかムズムズと痒くなってくる気がする
でも所詮ネットロア
噂に過ぎない
その考えを遮るようにピギーさんのリプが届く
「うちの近くに来てるって今DMが...」
一瞬走る沈黙を破ったのは山田くんさん
「話によるとカユミちゃんの移動速度は一瞬で県をまたぐらしい」
「だけどそれは私が絵と文章送った犯人です
ピギーさんごめんなさい」
「山田くんさん怖いっすよw
この可愛らしいキャラも山田くんさんが描いたんですか?」
見せてもらったカユミちゃんの絵は確かに可愛らしいが一方で得体の知れない不気味さもある
それが私が恐ろしい世界に踏み出した第一歩
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