第54話 はにわ市以外の輪の国の状況
輪の国ははにわ市とその周辺をクラブ帝国に占領されていました。
はにわ市から西に向かうと防衛拠点である「みぎねこみみ島」と首都島である「ひだりねこみみ島」があります。
司馬家の主力を初め、輪の国の主要は軍隊はこの拠点に籠っていました。
そしてそこから、何十もの防衛線を張ってクラブ帝国の侵攻に備えていました。
それに対してはにわ市から見てきた方面は防御が浅く、クラブ帝国が侵食していました。
輪の国の北側、時計で例えると12時の場所には「かぐや」という都市がありましたが、クラブ帝国は今の時点でここまで迫っていました。
戦力、練度ともにクラブ帝国は輪の国を上回っており、おまけに輪の国の政府内部には獅子身中の虫である、ラッキー・ホット・コモリの一党と協陽党の面々が戦闘を妨害していました。
司馬四兄弟はクラブ帝国の軍勢と戦う前に、政府の中にいる親クラブ派の面々を相手にしなければなりませんでした。
そんな中、輪の国で恐ろしいことが起きました。
それは政府の中で積極的に防衛に対してコメントしていた政府の要人、元首相が暗殺されるというモノでした。
そして犯人は、協陽党の分派の少年であり、どうも協陽党の連中にそそのかされたのではないかという噂でした。
この痛恨の事件のおかげで、司馬家は攻勢に出るタイミングをまたも逸してしまいました。
そうこうしている間に「かぐや」は陥落しました。
そしてクラブ帝国は時計回りに攻勢をつよめ、なんと裏側から首都島ひだりねこみみまで到達しそうな勢いでした。
この輪の国劣勢の中、はにわ市で起きたような略奪や暴行が輪の国の多くで行われました。
そして、当然のことですが司馬家は攻撃命令を出されていないので見かけ上はなすがままでした。
しかし、皆さんお気づきのようにクラブ帝国に恨みを持つ人々をこの機会に密かに吸収し、ゲリラ戦術を行いました。
その結果、公式の資料はないものの、司馬家のイレギュラー兵の数は正規軍全体の50%、司馬家の正規軍の約二倍まで膨れ上がりました。
こうして、絶体絶命の状況下の中、司馬家は輪の国最大の軍事力を持つに至りました。
そして、ここまで追い詰められたことで、やっと輪の国の議会も本格的戦闘と攻勢に出る必要を感じたのか、前向きな戦闘プランを提示して了承されました。
これは、はにわ市を含む全輪の国で虐殺、暴行が行われたことであのラッキー・ホット・コモリの分派と協陽党もやっと目覚めたというのが大きな理由でした。
次回からは司馬家の逆襲をおおくりします。
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