社長に言われたので、志を高く持ってみた
藍染 迅@「🍚🥢飯屋」コミカライズ進行中
第1話 入社式
「──という訳で、何事も初めの志が大切であります。前途ある皆さんには是非高い志を懐いてほしいものであります」
……長えよ。三十分も続いた社長の挨拶には死ぬ程ウンザリさせられた。ようやく解放された俺たち新入社員は、教育担当者に別室へ連れて行かれた。
「いいですか? 皆さんには新人研修として個人テーマにチャレンジしてもらいます」
うわあ、面倒臭いやつだ。こういう課題ってろくなもんじゃないぞ。
「社長のお話、覚えていますね?」
無理、無理。ほとんど忘れましたって。記憶に残る方がおかしいよ、あんな話。
「何でも結構です。社長のお話から感銘を受けたポイントを抜き出して、明日から一週間実行して下さい」
どうしてそういう面倒臭いことを言うかなあ。時間の無駄だって。
「できれば目標を決めて、それを達成できると良いですね。一週間後の月曜日、課題に取り組んだ結果を報告してもらいます」
ああ、嫌だ。週末がレポート書きで潰れちゃうじゃないか。もう。
「本日はこれにて解散と致します。個人テーマを何にするか、今晩良く考えるように」
もう最悪だ。テンションが最低に落ち込んだ。
悩んだ挙げ句俺は、最悪のテーマを課題に選んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます