第18話「存在を忘れることは決してない」


 君と会えなくなってから、もう20年が過ぎた。君との記憶はもう朧気で、笑顔も寂しい顔もうっすら。


 だけど僕は、君の声を覚えてる。

 君と話したことを覚えていないけれど、君の声を、まだ思い出せる。

 ごめんね。君を置いていく僕を許してほしい。


 君を心に残して幸せになろうとする僕を、どうか……。

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