第7話「追われたいもの」


 どうしようもなく、想い焦がれてた。生まれた時代を間違えた?

 いいえ、時代ではない。生まれた『身体』を間違えた。

 早く走れる足も、見渡せる瞳も、音を拾う耳も、あなたの前では無に等しい。


 私はあなたに食べられたい。

 ねぇ、どうか、私を追ってきてほしい。



 この広い草原で。

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