第6話 いつか完全なる私ができるまで



「この障害だらけの世界で生き抜くには」


「私には適正がなさすぎた」


 最初の私 愚図でのろま

 失敗作だね


 二番目の私 狼狽しまくり

 これもダメだ


 三番目の私は とても醜悪で

 目も当てられなかったから

 すぐに廃棄処分だ


 四番目はどうだったかな

 力はあったのに 頭が悪い


 五番目はかしこい

 でも自分を本物だと勘違いしていた


 六番目は反抗的

 だから 手を焼いて 煩わしかった


 七番目は心がない

 合理的すぎて 気味が悪い


 いつか いつか できるだろうか

 理想の私ができるだろうか


 なりたい私を作り出し

 私の変わりに演じてもらおう


「理想の私にこの世界を生きてもらおう」


「私の代わりに障がいを乗り越えてもらって」


「称賛をたくさんもらってほしい」


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