第27話 勉強会(3♥)
「ふ、ふざけるな、シィー殿は私を愚弄する気か! べ、勉強をするために集まったというのに、こ、この私が、誇り高き侯爵家である私が、お、男の足をぺろぺろちゅぱちゅぱ舐めるなど、き、きすとか、そ、そのようないかがわしいことをするものか!」
クラス委員長になり、勉強も含めて頑張ろうと誓った、シィーリアス。
だが、既にシィーリアスに蕩けてしまっている二人では、もはやミリアムとオルガスの二の舞になるのだった。
ゆえに、こうやって抵抗するクルセイナも……
「あ~ら、クルセイナさんはワタクシとシィーさんの親愛のキッスやハグをいかがわしいと?」
「あ、当たり前です! そ、そのようなこと……そのような……」
「ほ~ん……♪」
そのとき、フォルトが何か思いついたのか、たくらみ顔で笑い、そしてテーブルの上にあった勉強用の筆をテーブルの下にワザと落とした。
「あ~ら、ごめんなさいませ。そっちに転がってしまいましたので、取ってくださいませ、クルセイナさん♪」
「え、あ、なにを……い、いえ、取りますが……よっ……ふぁっ!?」
「うふふふ♥」
テーブルの下に落ちた筆を取るために椅子から降りてテーブルの下に入るクルセイナ。
そうなると、目の前にはシィーリアスの足。
「ぐっ、フォルト姫! あ、あなた様は……」
「あら~、なんですのぉ~?」
「むっ、どうしたというのだ、クルセイナは……?」
昨日、キスをして忠誠を誓ったシィーリアスの素足が目の前に。
見れば見るほど惚れ惚れしてしまい、クルセイナの体は熱く火照る。
「うふふ、シィーさん……ごにょごにょごにょ♥」
「ん? そう言えばよいのか? 分かった」
そして、フォルトはシィーリアスに耳打ちしてダメ押しをさせる。
それは……
「さあ、クルセイナ」
「ッ!?」
「君も……来てくれ」
テーブルの下に居るクルセイナに向かい、シィーリアスは自分の足をポンポンと叩いて迎え入れる姿勢。
その瞬間、クルセイナの理性も崩壊。
「シィー殿の脚足足足足足足……う、うううう……すりすり♥」
まるで夢遊病患者のように引き寄せられ、クルセイナは気づけばテーブルの下からシィーリアスの股下から顔を出して、その体にしがみついた。
そんなクルセイナの頭を、シィーリアスは優しく撫でた。
「はぅ~……こんな素晴らしい脚に膝枕していただけるなど……ッ、し、シィー殿、それにフォルト姫も、こ、このことは是非ご内密に……!」
「うむ、心置きなく僕の膝を使ってくれたまえ、クルセイナ」
「はぅ、う、うぅ、シィー殿は天然で魔性だな……くんくん……すりすり……もふもふ♥」
「あらぁ~ん。クルセイナさんったら、すっかり主の膝の上で丸くなる猫になってしまいましたわ~ん♥」
もはや、そのからかいの声はクルセイナには聞かなかった。いや、耳に入らなかった。
(ぁあ、なんと優しく撫でてくださり……こんなに逞しい体で、ああぁ、シィー殿……♥)
それほどまで、一瞬でクルセイナはトリップした。
「シィー殿……靴下も脱いだ方が……ら、楽ではないだろうか?」
「ん?」
「そ、その、……勘違いしないで欲しい! ほら、今日は訓練場で動いたりしたし、む、蒸れたりしているであろう……べ、べつに私は足の指にキスしたりしゃぶったりしたいとか、そのような品のないことを考えているわけではなく……」
「ううむ……しかし……別にそこまで気には……」
「い、嫌……だろうか? べ、別に指を舐め回すとかそのような品のないことはしない! ちょ、ちょっと……先っぽだけだ……あ、嫌だというのであれば……」
ベタベタに甘えて、さらに靴下を脱がないことに瞳を潤ませる状態のクルセイナ。
すると……
「あはん♥ シィーさ~ん、別によろしくてよ! なんなら、服は全部脱いで頂いても構いませんわ……チュッ♥」
そんなシィーリアスの脇には、フォルトがシィーリアスと密着するほど腕組んで、その頬にキスをしたり、肩に頬を乗せたりと、イチャイチャしていた。
「そうか……うむ、確かにウィンドカッターのアレで動いたし……では靴下を脱ごうではないか!」
「やった! じゃなくて……コホン、あ~いや、私に脱がさせてほし……じゃなくて、私が手伝おう!」
目を輝かせ、もし尻尾でも生えていれば激しく左右に揺れているだろうなと感じさせるほど嬉しそうに見えるクルセイナ。
しかし、クルセイナは気を取り直して、騎士のように片膝になる。
そして、シィーリアスの右足を持ち上げて、その足の裏を自分の両胸の上に乗せて、ゆっくりとシィーリアスの足首に手を回す。
(はあ、はあ、はあ、はあ……足の裏からも伝わるほどなんという頼もしき足……ウィンドカッターすらも脚だけで繰り出して……あぁ、少し汗の香りが……しかし、これが男の……シィー殿の匂いで……)
平静を装いながらも顔を真っ赤にして、鼻で激しく呼吸するクルセイナ。
ただ、そのとき……
「く、クルセイナよ……」
「ふぇあ? こほん! な、なんであろうか?」
「そ、その、僕の足の裏が……君の胸に……し、失礼なことをしているのではないかと……」
「え? ……あ……」
クルセイナにとっては、その方が靴下を脱がしやすかったし、足を間近で見れるし、匂いもかげる。
そのためにシィーリアスの足を両胸の上に置いていたのだが、確かにそれはまずいのでは? とクルセイナは思ったが……
「な、何を今さらそのようなことを……我々は友達ではないか(クンクンクンカクンカクンカ♥ 靴下のこの独特な香りも癖になるな……もらえないだろうか? いや、これは昨日買われた降ろしたてだろうから、それは頼めぬか……)」
「ぬっ、そうか……女性の乳房に足で触れるのはどうかと思ったものでな……」
「え? あ、……ん?」
そのとき、マタタビを嗅いだ猫状態のクルセイナにはシィーリアスが何を言っているか分からなかったが、あまり気にしなかった。
ただ……
「あ……」
「ぬぅ、今度はなんだ、シィー殿」
「いや……」
また何かに気づいた様子のシィーリアス。その視線の先はクルセイナが片膝付いているがゆえに……
「今日の君のショーツはスカイブルーの色……とても爽やかな色だ……今日も眼福だ。ありがたく見させていただいた!」
「ふぇ……あ、きゃ、あ……で、ではなく……」
「クルセイナ?」
普段なら人に見られるほどクルセイナは無防備ではない。
しかし、この時ばかりは隙だらけ過ぎた。
片膝付いているクルセイナのパンチラに、シィーリアスはお礼を言った。
一瞬狼狽えて慌てて隠そうとしたクルセイナ……だが……
(よ、良いのだ……シィー殿の文化なのだから……下着ぐらいシィー殿になら……そ、それに、今日のは私も気に入っていて、それを褒めてくれたわけなのだから、怒ったり隠したりする方がおかしいのだ……うん……)
クルセイナは、片膝付いていた足を少しずつ左右に広げて、もっと下着がシィーリアスに見えるようにして……
「私はシィー殿の友だからな……構わん」
と、壊れた。
そして……
「んもぉ~、シィーさんってば、ワタクシを除け者は泣いちゃいますわ~」
「わ、フォルト!?」
「もぎゅもぎゅ♥ アンド~、チラリ♥ ですわ~」
「ぬぬ!?」
フォルトは脇からシィーリアスの腕を自分の豊満な谷間に挟み込むようにして抱き着き、さらに手で自分のスカートの裾をめくり……
「君まで胸を……それに今日の君は……そ、それは紐パンというものでないのか?!」
「そうですわ~ん♥ 赤の紐パンティーですわ♥」
「うむぅ……きわどいながらも情熱的な魅力……天晴だ、フォルト。ありがとう!」
「どういたしましてですわ~ん♥」
情熱的に肌に食い込み、本当に大事な箇所しか隠していない赤い紐パン。それをシィーリアスに褒められたフォルトは……
「ふふん♪」
「ぬっ、ふぉ、フォルト姫……」
クルセイナに勝ち誇る。
それは挑発。
「フォルト姫……わ、私は身分は姫よりも下ですが……挑まれるのであれば、手は抜きませぬ」
「あら、抜いたところでワタクシには勝てませんわ~♪」
「うう、シィー殿! パンティーだけではなく、ぶ、ブラもチェックしてくだされ! 重要なのは組み合わせです!」
「あ~ら、でしたらワタクシもですわ~♪」
そしてこの日より毎日、フォルトとクルセイナは、シィーリアスにその日穿いている下着を見てもらう「パンティーチェック」が日課になった。
気づけば、最初はそれなりに壁があったように見えたフォルトとクルセイナはシィーリアスに対してだけでなく、互いの距離も縮まった。
勉強はまったくしなかった。
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