第5話

アルコールで生きてきた記憶も足跡も全て無くなればいいのに


死んでしまってからも消えない足跡を思い足が止まる全てが還らないものだと知りながら身を投げ出している静かに嗤う凍える


気持ち悪いんだよと罵倒を投げ捨てれば跳ね返って自分の頭を小突く。

彼にしてしまったこと、彼女に放ってしまった言葉、自分にとっての選択肢

そういうもの一切合切含めて自分を殺そうとしているような錯覚に嘔気が混じったため息をつく


空き缶を吸えばどれも同じようにアルコールのにおいがする。安い安いアルコールの匂いだ。これだけで満足できるならこれだけであれやこれやが忘れられるならこんなに財布は薄くならない。


飲めや歌えや繰れども暮れども状況は変わらない

明けても空けても状況は変わらない


好転しない日常にまた酒を飲む

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