感想書くマンのレビューの書き方について

8月26日金曜日の夜11時シノンさんです。なんか最近ちょっと涼しくなってきた?



このエッセイでは普段ふざけた駄文ばかり書き連ねていますが、今回ばかりは珍しく、真面目なモードでお送りしたいと思います。ここ数日色々と思うところがあったのでね。

長文になるかもしれませんが、一人でも多くの作者さんに届けたい内容へと繋がるので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。


その内容というのはタイトルにもある通り、感想書くマンこと私『及川シノン』のレビューの書き方について、です。


感想企画のゴール目前だというのに何を今更?という感じもありますけれど、明確に伝えたことはなかったと思うので。改めて、自分の姿勢を表明しておこうと思い至った次第です。

ちなみに企画は96作品を読み終わって、残り4作品となりました。


レビューを受け取った96人や、僕のレビューを普段からチラチラ読んでいる人達は、既に把握していることかと思いますが……。

依頼されて読んだ作品へのレビューは、基本的に『あらすじ→良かった点や好きな部分→気になった部分や指摘点→締めの言葉&こういう読者にオススメかも』……という構成で書いています。

このスタイルがハッキリ構築されたのは、第5回の企画が半分過ぎた辺りからだと思いますけど。


『あらすじ』はそのままの意味で、作品ページに作者さんが書いている文章あらすじに補足したり、自分なりに作品の冒頭や導入も加味した上でのあらすじを書いています。

これから作品を読む新規読者さん達のために、僕のレビューを読んだ人にも「おっ、なんか面白そうな話じゃーん」と感じてもらうため、勝手ながら『感想レビューの出だし』として『あらすじ』を書いています。

「……いや、作者があらすじを既に書いているんだから、レビュー欄でお前が勝手にあらすじをアレンジして書くなよ」みたいに思った作者さんや読者の方がいたら、それは申し訳ないです。


続いて『良かった点や好きな部分』は、まぁ説明する必要もないですかね。

作品を読んで自分が感心した点・面白かった部分・明確な長所を、とにかく挙げています。

正直ココが一番書きやすい。登場キャラ、設定、ストーリーの展開、文章力、オリジナリティなどなど、ある程度は評価すべきポイントが固まっているのも、書きやすさを助けてくれています。


そして『気になった部分や指摘点』は、一転して書くのがヒジョ~に難しい。

作者さんを傷つけないよう言葉を選びつつ、それでも改善した方が良い点や、読者に対して不親切な部分を浮かび上がらせています。

しかし、ただ単にダメ出しをするだけでは意味がないので、「こうしたら良いかも」や「こういう形だったら良かったかなと思います」という表現で、具体的な改善案も提示させて頂いております。


とは言っても、他人から指摘されれば誰でも大なり小なりダメージを負うものです。僕だってそう。

作者さんが凹む言葉でレビューを終わらせると、それもまた良くない。

なので、最後に「とはいえ~」という言葉で始まり、総合的に良かった点や「こういうのが好きな人達にはオススメかも」という表現を使い、『オススメレビュー』を完成させています。



――ここからが本題です。



上述のような構成で、僕こと感想書くマンこと及川シノンはレビューを作っています。

しかし、人によっては「いやいや、レビューなんだから、良い点だけ書けよ。指摘点とか改善点とか書いちゃダメじゃない?」と思うor思っているor思った……かもしれません。

作者さんに対して改善点を告げ、今後の執筆の参考にして頂いたり、次回作以降の糧にしてもらえれば、自分としては書いた甲斐があります。

ですが、レビューを閲覧した読者の大多数には、直接の関係はない内容ですからね。御尤もだと思います。


それでも自分は、今後もこのスタイルを崩すつもりはありません。


……とはいえカクヨム運営から「オススメレビューなんだからオススメだけしてろ。改善点とか指摘とか要らん要らん!」と言われたら、その指示には従いますけどね。

規約違反してまで貫く意地など、ただの妄執です。


ですが――そうならない限りは、他人から何を言われようと、指摘点を作者さんにお伝えします。

それは『完璧な作品など存在せず、同時に褒める部分が一切ない駄作も存在しない』という、僕自身の信条があるからです。



それに加えて、一番大きなウェイトを占めている理由は、です。



……どういうこと?と思うかもしれませんが、分かりやすい説明をするためには、僕自身の過去にちょっと触れます。ゴメンね話が長くなって。


僕は16歳の頃からWeb小説を書き始め、今はもう閉鎖されてしまった小さな小説サイトで作品を投稿していました。(※この辺の詳細は、『19歳でデビューした1巻打ち切りラノベ作家が、20代で新人賞を受賞して再デビューするまでの話』に書いてあります)

人生初の投稿作品でありながら、ありがたいことにユーザーの皆さんから御好評を頂き、1年間くらい常に総合ランキング一位でした。……いや10年前の話だから、ちょっと盛ったかも。二位とか三位に落ちたことはある。でもサイト内でトップクラス、上位常連だったのは事実です。


ちなみに自慢話をしたいわけじゃないから、もう少し付き合ってくれぃ……!


そんな人気作を投稿していた僕でも、ごくたまに「つまんね」とか「おもんない」みたいなコメントは頂いていました。

しかし100個コメントがあったら1個だけ批判的、残りの99個は絶賛、みたいな状態です。何よりも『どこがつまらないのか』『どうして面白くないのか』『何が気に入らなかったのか』といった具体的な指摘は、全くありませんでした。

熱心なファンの皆さん達には「ただのアンチだから気にすることないよ!」とか「嫉妬してるだけでしょ」と慰められ、僕自身としても「……そうだよなぁ~!ランキング一位の作品が、つまんねぇわけないもんなァ~~!!『一位』ってことは、『一番面白い』って意味だよなァ~~!!?」と、態度には出さずとも内心ではチェンソーマンのデンジ君みたいなこと思っていました。


しかし、コレが『罠』だったんですよね。今にして思えば。


その後に古巣が閉鎖して別サイトへ作品を移転し、そのサイト内で応募したコンテストに受賞し、19歳の時に書籍化しました。

もうこうなったら内心では無双状態です。重版しまくって漫画になってアニメ化まで行くと信じて疑わなかったですし、何なら「20歳でデビューした西尾維新先生より、19歳で受賞した俺の方が上なのでは……?」とかマジで思っていましたからね。いや本当マジで。そんなワケ100%ねぇのに。若さって怖い。


お察しの通り結果は一巻打ち切りで、新シリーズも打ち出せず。購入率は50%の大爆死です。

販売サイトやネット掲示板での評価はボロクソで、ゲロ吐くほど凹みましたけど――しかしどれも、的確な指摘ではあったんですよね。批判する時に使われる言葉は鬼ほど厳しかったけど。

書籍化する際、担当編集さんは色々とアドバイスしてくれましたが、『弱点を指摘する』というよりは『整合性を補強して長所を伸ばす』といった修正プランでした。僕への対応は、非常に優しくて丁寧でした。当時はありがとうございました。


しかし初投稿から書籍化まで、ずっとずーーーっと周囲の善意に甘やかされてきたようなもんです。

とはいえ、自分で自分に厳しくなれれば何も問題なかったのでしょうが、それができるほどの勇気や客観性は、10代の僕には存在していませんでした。


そして現代へと時間を巻き戻し、今回の長文かつ大して面白くない『本題』に戻ります。


つまり僕が言いたいのは、「どんな作品にも短所はある」とか「だから改善点を告げるね」とか、そういう次元の話じゃないです。


一番伝えたいことの本質は――「勘違いをしているなら危険だよ」ということです。


カクヨムで星1000個を獲得したとか、総合ランキングでトップ10に入ったとか、それはもう本当に凄いことです。素晴らしい偉業です。心の底から尊敬します。きっとたくさんのファンが「面白い!」「この作品好き!」「更新楽しみにしてます!」と応援してくれていることかと思います。


ですが、それがそのまま『世間の評価』ではないのです。あくまで『サイト内での評価』でしかないです。


書籍化してみたらボロカスに叩かれるかもしれませんし、叩かれもしないままビミョ~な売れ行きで打ち切りになるかもしれません。

書籍化せずとも、アッチのサイトでは絶賛されたのに、コッチの他サイトでは見向きもされないない……何でだ……このサイトがクソだからか……?という疑問に直面するかもしれません。


「指摘を受けたことがないから、自分の作品は完璧。誰が読んでも面白いと思うはず」――そんなことは絶対にありません。

同時に、逆パターンで「誰にも面白いと言われたことがない。PV数もポイントも全然伸びない。きっと最悪の駄作なんだ」――ということも絶対に絶対、そんなはずはないと僕は主張します。

Twitterとか見てると、ソコを勘違いしている人があまりにも多いように感じる。


僕は感想やレビューを書く時に、良い点も良くない点も書きます。だってそれが当たり前で普通で正常だと、心の底から信じているからです。

「みんな面白いと言っているのに指摘すんなよ。空気読めよな」と言われても、目についた指摘点は必ず書きます。

「誰も面白いと言っていないのに、何でお前だけ絶賛してるんだよ」と言われても、面白いと感じた部分は必ず書きます。『面白さがない作品』なんて、ひとつも存在しないのですから。

もし面白さを見つけられないのなら、それは読んでいる人の『見る目』がないだけと思います。


少し話は逸れますが、カクヨムのサービス開始初期には、本文の内容が3文字しか書かれていない作品が、総合ランキングの一位を取ったこともあります。

マジで3文字ですよ?3単語とかじゃなく、3文字。『あああ』だけみたいな。

あんなモン小説でもなんでもない、キャラもストーリー性も存在しない、悪質なイタズラでした。

しかし「ユーザー達が星を投げまくれば、たった3文字の作品でもこうしてランキング入りできちゃうよ?カクヨム運営はそれで良いの?今のランキングシステムのままで良いわけ?」と強烈に訴える、デモ行進のようなモノだと捉えれば、その価値や評価を僅かに見出すことも可能です。


たった3文字の作品でも、そうした視点を持てば、面白さや価値を推し量ることは可能なのです。

ならば皆さんが書いた、キャラもストーリーもちゃんと存在する物語が――それがどのようなものであろうと、ほとんど評価されていなくとも――『面白さが見出せない』なんて、そんなことあるはずがないのです。


そうした勘違いや、認識していない部分を知ってもらうために、僕は今後も自分のスタイルで感想を書いていきます。作品にレビューしていこうと思っています。


重ねて言いますけど、「たくさん評価されているから指摘点なんてない」とか、そんなワケないです。

逆に「全然評価されていないから、自分の書いた物語はダメな駄作」だなんて、そんなのもトンでもない勘違いです。ビンタするわよ。


それを認識してもらうため、感想書くマンは『普通のこと』を普通にレビューしていくつもりです。

まぁ、他人が読んだ時に「いや、この作品の面白さはもっと他にもあるでしょ」とか「そこ以外にもココを直したら良くなると思うから、それも言ってあげなよ」という、『感想の誤差』はあるかもしれません。結局は僕個人の抱いた印象や感想ですし。



――以上が、普段のエッセイと違うノリや内容になったとしても、僕が今回伝えたかったことの全てです。

支離滅裂で推敲もガバガバなので、スッゲェ読みにくかったと思います。


「……なんか熱心にベラベラ語ってたけど、そんなこと今更言われなくても理解わかってるよ」ということであれば、貴重な時間を無駄にさせてしまって本当にスイマセンでした。

しかし頭では分かっていても、他人にスバッと指摘されるまでは意外と気付かないものですからね。腹の底、魂まで響くことは稀と言いますか。

10代の頃の僕が、まさにそうでしたから。皆さんには自分と同じ轍を踏んで欲しくない、ただその一心です。



5000字に到達したので、コレにて終了します。長々と失礼しました。バイビーベイビーサヨウナラ(ボカロ曲)

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