第4話・閑話 テッドに挑む者…
『テッド・リターンズ! この俺と勝負しろ‼︎』
「・・・・・・・・・」
僕は家を出てすぐの場所で、2人の騎士の間にいる貴族の服を着た同じ歳くらいの少年に喧嘩をふっかけられた。
英雄となってから、この手の類が結構多いのだが…貴族が来るのは初めてだった。
まぁ…貴族だろうと、平民だろうと僕の答えは決まっている。
「お断り致します!」
僕はそう言ってその場から去ろうとした。
だが、貴族の少年はいく手を塞いで来たのだった。
「俺と闘うのが怖いのか?」
「いえ、そういう訳ではないのですが…そもそもなぜ僕に戦いを挑んで来るのですか?」
「答える必要はない!」
そう言って少年は胸を張っていった。
なら、何が目的なんだろうか?
意図がまったく読めなかった。
僕は無視してその場を去ろうとしたが、護衛の騎士らしき2人が道を塞いできた。
「一体何なんですか?」
「我々も任務ですので…」
僕を倒して名声でも得ようと考えているんだろうか?
そんな事よりも、僕は冒険者ギルドに行って討伐依頼を受けたいのだが…
貴族の少年と騎士は、一切通してくれそうにも無かった。
「お兄ちゃん、どうかしたの?」
そう言って、リットが扉から出て来て僕に駆け寄って来た。
それを見た貴族の少年がリットを見て言った。
「おいそこの平民の女! お前…なかなか可愛いな! 俺の女にしてやるからありがたく思え!」
「え? 普通に嫌ですけど!」
貴族の少年は一瞬でフラれてしまった。
貴族の少年は、自分がフラれるとは思っていなかったらしく…呆けていたのだった。
そして我に返ると、今度は僕に言ってきたのだった。
「女! 今から俺とテッド・リターンズが戦うから、俺が勝てばお前は俺の物だ!」
「妹は物じゃない! そんな条件飲める訳ないだろ!」
僕はそう答えると、リットは少し考えてから言った。
「別に私はその条件でも良いですよ? では、お兄ちゃんが勝ったら何をしてくれるんですか?」
「この俺に勝てるだと? そんなことはまず有り得ない! 俺は今まで一度も負けた事が無いんだ‼︎」
貴族の少年は自信満々で言った。
負けた事がない…裏を返せば、負けを認めた事が無いとも取れる。
仮に負けた事がないという話が本当だとして…?
恐らく騎士達もわざと負けて花を持たせていた為につけ上がったのだろう。
どう見ても貴族の少年より、騎士の方が強そうに見える。
「なら、僕が勝ったら…着ている物を全部脱いで裸で帰るというのはどう?」
「良いだろう…俺が負ける訳がないからな! 俺が勝ったら、お前の妹は俺の物だ!」
貴族の少年は剣を抜いて構えた。
僕は剣を抜かずに構えた。
すると騎士が間に立って宣誓をした。
「双方! 決闘の儀において、両者は平民でもなく貴族でもなく同格として扱われる! どんな勝敗であれ、意を唱えることは出来ない。 両者の返答は?」
「問題ない! どうせ俺が勝つからだ!」
「同格の扱いか…なら、負けて吠え面掻かせてやるよ!」
「へっ、ぬかせ‼︎」
「では双方…始め‼︎」
貴族の少年は剣を構えて攻撃をして来たのだった。
だけど、あまりにもおそい剣速で楽に躱す事が出来た。
そして反撃をしようと向かって行ったのだが…?
どこに攻撃しても当てられる自信があった。
貴族の…コイツはリットを物扱いしたのが許せなかったので、遠慮なしにボコボコにしたのだった。
だが…?
「俺はまだ負けてないぞ! 今度は俺の番だ‼︎」
そう言って剣を振り回して攻撃をしてくるが…僕に当たる事は無かった。
僕は手加減をしているつもりはなかったけど、今度は本気でボコボコにしたのだった。
流石にここまでやれば、馬鹿でも気付く…と思っていたが、貴族の少年は負けを認めなかった。
僕は騎士を見たが、止める気配は一向に無かった。
すると貴族の少年は怒った口調で言って来た。
「今回の勝負は、引き分けにしてやるからありがたく思え!」
「何が引き分けだ! どう見てもお前の方が喰らっているだろ? 僕は全くの無傷だし…」
「貴様…貴族の俺に意見しようっていうのか⁉︎ 身の程を知れ‼︎」
「決闘の儀を行った時点で同格として扱われるんだ。 お前が貴族だろうが関係ない! 早く負けを認めろ!」
「断る! 俺は負けてねぇ!」
コイツ…凄く面倒な奴だ。
確かに負けを認めないのであれば、今まで負けた事がないというのもわかる気がする。
だが、ここまで実力の違いが分からずに引き分けにしてやるというコイツの発言に頭に来た。
僕は魔剣シーズニングを抜いてから、デスソースセイバーを発動してから…貴族の少年の頬に傷をつけた。
魔剣シーズニングの効果は、刀身から滲み出る追加効果がある。
なので、頬を傷つけられた貴族のコイツは、頬を抑えながら呻き声をあげていた。
「これで解ったでしょ? さっさと負けを認めて!」
「俺は負けを認めねぇ!」
ここまでされていて、帰属のコイツは一向に負けを認めなかった。
騎士を見るが、止める気配はなかった。
「止めないの? なら、殺すけど良いかな?」
「負けを認めないのであれば…」
殺すと言っても、本気で殺す訳じゃない。
屈辱的な方法でコイツにダメージを与えるだけだ。
それにしてもコイツら、本当に護衛の騎士なんだろうか?
普通、主人の息子…なのかな?が、危なくなったら止めるものだと思うが?
なら、ハッタリではない事を証明する為に、僕は魔剣シーズニングのデスソースセイバーを体のある場所に突き刺した。
それはお尻の穴で、濃度上昇+任意出現で剣先から大量のデスソースを注入した。
すると、貴族のコイツは…うめき声を上げながらお尻を押さえてのたうち回っていた。
そう…浣腸の中身はデスソース…
お尻がありえない程痛く、熱い…w
「ほれ、早く負けを認めろ!」
「こ…断る!」
「あ、そう。 なら今度は、口の中から大量に入れてやるよ! お尻でこの状態なんだから、口から入れられればどうなるかくらい分かるでしょ?」
「わかった…引き分けで良いから止めろ!」
「まだ、自分の立場が理解出来てないようだね?」
僕は貴族のコイツに、顔にデスソースを放ったのだった。
すると、貴族のコイツはもがき苦しんでいたのだった。
「どうするの? 降参するの? しないの?」
「わかった…俺の負けで良い!」
ようやく負けを認めた貴族の少年だが、必死になってお尻の辛さを何とかしようと唸っていた。
だが、僕の復讐はまだ終わりでは無い!
僕は貴族の少年の服を脱がせて全裸にした。
全裸にされた貴族の少年は、前の股間とお尻を手で抑えながら必死になって屋敷に戻って行った。
こうして、この一連の騒動は幕を閉じた…かに見えた。
数週間後にこの貴族の少年が報復に来るまでは…
そしてこの貴族の少年との2回戦がはじまるのだった。
ところで…? あの貴族の少年の父親の貴族位ってどの辺りなんだろう?
それが分かるのは、もう少し先になるのだった。
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