第38話 登録ですよね? (3)

 皆が一斉に下を向くのだ。


 それも冒険者組合・ギルドの受付嬢だけではなく、冒険者や労働者達迄──。


「…………」と無言で下を向き、汗! 汗! 冷や汗をタラタラと垂らし始めるから。


 シーン! と口内が沈黙をするからね。やはり会長様は本当に恐ろしい女性ひとみたい。


 でも、侵入社員のア・リシャーや、その他の新人受付嬢、ウェートレスや売り子達も、自身の親分、会長が何故そんなに恐ろしい女性なのか、未だ分かっていない。悟っていないから。


 皆可愛くキョトン! としながら首を傾げる。


 でも仕事や会社事情に詳しいベテランのお姉様達は、各自各々が口を開いて。


『さて、仕事を始めるか?』、


『それはそうと?』、


『あのさ?』、


『あれはさ?』、


『これどうしたら良い?』と。


『お客様、いらっしゃいませ~』といつものスマイル、スマイルを可愛く、麗しくしながら。いつもの出来事……。通常通りの冒険者組合・ギルド内の様子、日常へと戻るから。


『じゃ、ア・リシャー。その男の事を頼む』と、会長自らの指示に対してア・リシャーは慌てて立ち上がり。規律! 礼!


『はい! 会長、分かりました! 後は私にお任せください!』と告げ。まあ、告げたは良いけれど。


 その後の二人の様子はこの通りだ。





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