第29話 謎の男? (1)
「い、いつ、痛ぇなぁ~、お前は~」と。
「何をするんだ……。お前は」とアレンは、悲痛な顔をしつつ呻り、自身のお尻をサワサワと無意識に触り撫で、痛みを和らげようと試みながら、謎の男……。
それも大変に小汚く、体臭も臭い、小さな男へと不満を漏らすのだ。
ア。リシャーの男への問いかけ。その回答が、男の口から漏れるよりもアレンは、自身よりも背丈の低い男へと不満を告げれば。
「お前が何時まで経っても、その受付の姉ちゃんとの会話……。それも仕事、冒険等に関する問い合わせならば良いけれど。兄ちゃん、お前が姉ちゃんにしていた話しの内容は、今晩のデートのお誘いと夜這いの予約話をしているだけではないか。まあ、それでも俺は、兄ちゃんの戯言に付き合い。後方の離れで待っていたけれど。前が何時まで経っても辞めないし。お前にしつこくデートと夜這いを申し込まれている。そこの受付の姉ちゃんも困っているようだから。俺が姉ちゃんの代わりに、お前を退かしたと言う訳だ。だから兄ちゃんは、ほら、早く、何処かに行け! 俺達の話しの邪魔だ!」と。
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