明日
元気が良くて、優しくて、みんなの声は、いつも傍に。高台にある伊織の家からは、眼下の街がよく見える。新しい季節は、いつもどこか落ち着かなくて、期待を不安が入り混じる。窓を開けて、そっと目を閉じる。頬を瞼に当たる光を感じながら、静かに耳を澄ませる。其処には、聞きなれた声が入って来る。目を開ければ、家の前で手を振る友人達。
「伊織! 映画一緒に観ようぜ!」
声が大きいと、両隣の青と赤にぺちんと叩かれる黄色。いつも、この声が傍にあった事。伊織は不意に思い出して、何だか急に目頭が熱くなった。
「いいわよ、みんな上がって」
それを誤魔化すように微笑んで、手招きした。新しい季節が来て、また一緒に歩みだす。抱えきれない夢と、数え切れない希望と共に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます