第107話 スキル美容整形

 10分位で部屋がノックされたので扉を開くと、現れたのはミザリアだった。ムネチカは既に部屋で寝ているというので、2人でムネチカの部屋に行く。


 ミザリアが声を掛けるとドアが開いた。すかさず部屋に入るが、ムネチカは寝巻姿で気不味そうにしていたが、ミザリアはそっと部屋を出て行った。

 そして俺はムネチカと2人きりになると、正面から抱きしめた。


「あのうムネチカ。その、避けていた話だが、つまり君のあの姿の事だ。今の姿とあの姿、どちらが本来の君の姿なんだい?」


「はい。あの醜い姿が本来の姿です。嫌いになったでしょ?普段は力を抑えているのでこの姿ですが、恐らくご寵愛を賜り、愛し合っているとあの姿になります。だから私の事は放っておいてください」


「確かに驚いたが、今の美しい姿にしてやるよ。俺の力にはそれがあるんだ。あの姿に愛着が有ったりするか?」


 ムネチカは首を横に振る。

 俺はスマホを久し振りに取り出した。


「悪いが今の姿を記録してから挑まないとだから、裸になって立ってくれ。それと指示に従って欲しい。必要な事なんだ。君を美しい姿にしてやる!」


 ムネチカは何も疑わず、その見事な裸体を晒す。躊躇なかった。


 前後左右から写真を撮り、必要な事だと断りをいれてから胸を少し揉んで、感触と弾力を頭に叩き込んだ。


 スキルを使うのに必要なデータ集めの為だ。ムネチカは顔を赤らめてはいたが、俺の真剣さに身を任せていた。何故なら俺の股間を凝視し、変化の無い事を確認していたからだ。


 そしてあの姿になって貰う。顔には布を掛けて見ないようにした。ムネチカがそう求めてきたからだ。


 胸も殆ど無くなり、体は筋肉ばかりで余分な脂肪が一切無く、身長は変わらなかった。大きく見えたのは気の所為だった。多分オーラのような何かが出ていたのだろう。体格自体はすらっとしているが、肌が荒れており、普段より痩せている位な異様な体格だった。


 スマホの写真を見ながらムネチカの体を触り、筋肉量はそのままで脂肪を付けて女性らしい体に。

 顔に手を当てながら先程迄の美しい顔を再現し、胸を膨らませ、形を整えた。

 お尻もいつもの締まった可愛らしいのにしていく。


 脚も筋肉と皮だけだったから、脂肪をつけて、肌も滑らかに。


 手や足もごわごわだったので、その辺りも整えていく。2時間位写真と見比べ、胸を揉みながら微調整をし、俺の中の有るべきムネチカが出来上がったのであった。


 因みにこの力、中々赤の他人には使えない。何故かというとベタベタと触る必要があるからだ。例えば胸を揉んでいるのは、触っている部分しか変化しないし、弾力具合を俺の感覚でしか判断出来ないからだ。つまり、直したい部分を触りまくるので時間も掛かるし、同意して貰わないとセクハラで捕まります。えっ?お前の存在そのものがセクハラだって?誰だ!言い掛かりをつけるのは。

 コホン。言っとくけど、エロい目線ではやっていないので、あしからず!

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