第61話 卵取り

 グリフォンの卵ガチャは残り2日だ。その為、今日は新入り2人の実力を見るのを兼ねて、にグリフォンの巣を目指す事にした。


 その前にギルドで2人を冒険者として登録をする必要がある。その為まずはギルドに向かう。そうしないと上級エリアに入れないからだ。実力のある冒険者パーティーのみに許されるのだ。


 ギルドにて冒険者登録を終えた後、服屋にてムネチカの服を買う事にした。彼女は水着としか思えないあの卑猥な物で良いと言い張るが却下した。俺が嫉妬するからだ。他の奴にエロい目でムネチカを見られたくない。あれは俺のだ!いずれハーレムに加えちゃる!的に心の底で邪な想いを巡らせていたのだ。童貞だけど・・・


「あのなムネチカ、俺の集中力がなくなるんだ。お前の胸が気になってしょうがないから、ちゃんとしたのを着てくれ!」 


 本当に気になる。乳首が見えないだけであって、おっぱいがぷるるんと常に揺れているんだ。気にならない訳ないだろ!ぷるるん、タプンタプン揺れるんだぞ!見るなというのが無理な話だよね!


 その後、ミザリアはムネチカを無理矢理引っ張って店へ連れていく。ドナドナドーナ、ドーナ!

力だけを見るとムネチカの方が上なのだが、ムネチカ曰く、あの目はやばいのだとか。睨まれると走馬灯が・・・らしい。


 イリアとミリアにも値段を気にせずに冒険者活動用と、普段着を選び、会計になったら呼ぶようにとして一緒に送り出した。勿論ミザリアも自分のを買うように伝えている。


 カナロアは少し目を離した隙に、ちょっとしたスペースでギターを奏でたり、歌い始めていた。

 意外といけていて、そのヒャッハーな格好とは裏腹にバラードを歌っていたのだ。俺の所に服のお金を取りに来たミザリアが驚いていた。


「あれ?あの方はしっとりとした歌も歌えるのですわね。意外ですわ。しかもあれで生計を立てられる程に上手なのですわね。人は見掛によりませんね」


 ミザリアも俺と一緒に少し聞いていたが、俺からお金を受け取ると店に戻っていった。

 買い物を終えて皆が店から出てくると、カナロアも戻って来たが、なんと子供達にもみくちゃにされていた。しかもひょうきんに相手をするものだから大人気だった。


「そろそろボスが痺れを切らすから、行ってくるぜ!ちゃんと母ちゃんの手伝いをするんだぞ!出来るな!?未来のレディースアーンド、ジェントルマン!アディオス!」


 子供達からは「えー!もうなの?」といった感じで、カナロアも残念そうにしながら戻ってきた。


 ミザリアから俺の収納に入れておく皆の予備の服を渡されたが、ミザリアも自分の収納に入れておくという。気絶していたりと万が一俺が収納から出せなかったり、分かれて行動する時もあるだろうからと、最低限の荷物を入れるそうだ。流石ミザリア。俺と違い頭が良いな。


 ムネチカの格好は普通の冒険者と見えるような出で立ちで、スパッツの上にミニスカートだが、何故かエロく見えるから不思議だ。


「マスター?私の格好は変ですよね?」


 「いや、とても似合っているよ。スタイルが良いし、美人だから何を着ても様になるな。あの破廉恥な格好より俺はこの格好のムネチカの方が好きだぞ!うん。何処に出しても恥ずかしくないぞ!」


 誉めちぎると満足したようで、ミザリアにお礼をしまくっていた。


 お昼を食べてから上級用エリアに向かう。

 カナロアとムネチカ、この2人の力は未知数だ。

 近接戦闘でも後方も行けるとは聞いているが、百聞は一見にしかずだ。


 これからグリフォンの巣に行くと話すと、2人共グリフォンだと弱くてつまらないとか言うので、じゃんけんをして勝った方から戦う事にした。


 先手はカナロアだ。

 巣に辿り着く前に、早速グリフォンのお出ましだ。

 カロアナは武器を出して魔力を込めていた。

 直感が告げる!ヤバイのを出したと。

 グリフォンも震えていた。

 禍々しい剣を振り、何かを飛ばした。

 それを喰らったグリフォンはブルッと震えたかと思うと急激に膨れ上がり爆発し、その後には何も残らなかった。


 煙となり消えたのだ。魔石すら残らなかった。

 どや顔でサムズアップするのでデコピンを喰らわせた。


「あほたれが!消してどうすんだよ。過剰攻撃だぞ!魔石と卵の回収の為に来ているのに消しやがって!まったく!空気を読め!」


 カナロアはしゅんとなっていたが、俺は正直なところ恐ろしかった。見た事の無い力だ。多分俺よりも強い。本当に俺に従うのか?確かに今は俺をマスターとしているようだが。


 気を取り直して再び巣に向かうが、直ぐにグリフォンが飛んできており、次はムネチカの番であった。

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