挿話 消えた子と混ざり込んだ子
それは仲の良い五人組の話。
その五人は小学生の頃からいつも一緒に行動していた。
中学に入ってからもその関係は変わらず、
この五人組は、一見仲が良さそうに見えたが、その実、片思いが連鎖していた。
当時のは
学校からの帰り道、
「今日、一緒に勉強しない?ウチ、誰もいないからさー」
「──どうしようかな、みんな来るかな?」
その言葉は暗に二人きりにはならない事を伝えていた。
二人きりに慣れないと知った
そして、
それは、
その帰り、
■■■は
「
「うん、楽しかった、特に
「あれは面白かったよね、あ、パパが迎えに来てる」
「そっか、じゃあ、■■■ちゃん、またね」
「またね」
何気ない日常が何気なく過ぎて行く、そんな日々がいつまでも続けばいいのにと二人は思っていた。
だが、中学生活が始まって一カ月も経たずに、その関係は唐突に崩壊する。
それは
「僕、■■■の事が好きなんだ」
「──でも──」
「お試しでいいんだ、1か月付き合ってみてから答えを出してよ」
「でも私──」
言い淀む彼女に
「
その声に動揺する彼女は
それに気づいた
「じゃあそういう事で、
「え、あの──」
変化ががそれだけで済めば、まだ幸せだったのだろう。
その翌日、
「
「ちがうの、■■■が悪いの!私は止めたんだって!
「■■■がそんな事をする訳がないだろ!」
事件として処理されたそれは、学校で
それを
だが、その現場を
■■■は意識不明の重体となり、暫くして
その時の4人の幸福値があまりにも下がりすぎた為、4人の記憶を改ざんし、■■■の存在はなかった事にされたのだ。
同時にクラス全員にも軽い記憶誘導処置を施された。
4人の経過は順調だったが、全員がどこか心に抜け落ちた物を感じていた。
4人の関係が徐々に変化しようとしていた時、入学早々に入院していた子が通学を始めたが、クラスの全員が気にも留めなかった。
その子は誰とも関わろうとしない女子だったが、
そして、夏休みを目前にして、4人が集まる事は無くなった。
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