鷹鳥町奇譚・鬼婆観音──時代(トキ)を駆け巡る永遠の美乙女【改稿版】

春乃光

《前口上》『ようこそ、人生ゲームの舞台へ!』 弁士 九太郎 〈ゲームナビゲーター〉 

 時代ときは西暦2045年。「オッペケペ~ オッペケペ~ オッペケペッポ~ ペッポッポ~」はオトジロウ!

 晩秋の風が吹き渡る“鳥の巣山”の頂に建つ一軒家の庭先に、何やら虚空を覗く双眼あり。

 何処どこぞに魂は置き忘れてきたのか、このXXチョメチョメ……

 はたまた、物のに取りかれでもしたかの異様さで光なきうつろな目ん玉を縦横無尽に転がしては、魂の抜け殻同然の溜息を吐き散らかし、この世の不幸を全て一身に背負しょい込んだかの如く苦悶の表情を、恥も外聞もなくお天道様にさらけ出しながらたたずんでいたのよホーホケキョ。「ホーホケキョ」はキュウタロウ!

 下界を見渡せば、既に街並は紅葉もみじに彩られ、冬の訪れぬうちにと足早に、いっときの華やぎで飾り立てを終えんとしていた。

 なれど、かような晩秋の演出もかの目には露も映らぬらしい。

 このXXチョメチョメ、己に降りかかる運命さだめをまだ知らぬ。

 知ったところで、よしなし事ぞよ、と奇矯ききょうな振舞いで一蹴いっしゅうされるが落ちやもしれぬ。まこと肝の据わった御仁ごじんである。

 が、得体の知れぬ大いなる力に導かれ、いな、操られ、人生ゲームのステージへ転送される羽目になる。

 世にもまれなる異界の扉を自ら開いたと思い込んだ、そのまなこが捉えた奇異な運命さだめの果てを垣間見た時、その心中や如何いかん

 各ステージを攻略して完全制覇となりますやら?

 さて、前口上はこの辺までに。そろそろ緞帳どんちょうを上げる時刻が迫っておりますゆえ、あとは、幕が開いてのお楽しみということで……。


   ***


 一つ補足をば、

「JKは女子高生。女子高生はホニャララ。しからば、JBとは何ぞやホーホケキョ……やっぱ、萌え~!ってか? 三段論法的思考で答えてみんしゃい! 答えは後ほど、XXチョメチョメが全ステージを攻略した暁に。そいじゃ、ヒーヤーハアー……ハッ! マ~タコンネ!」


   ***


 いよいよ時間となりました。

 『JB青春ラブコメ冒険SFファンタジーRPG』の幕開けでございます!

 開幕10秒前!

「10、9、8、7、6、・・・」


[ ※ R 87指定(九倫) ]

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