星空そうじ屋さん

よねちゃんなのね

第1話

わたしは星空そうじ屋さん。天空の星屑や塵を、そうじして綺麗にするの。


星は磨いて光らせて、暗黒は真空掃除機で吸うのよ。銀河はブラシで整えて、青い星には水やりもするの。



ある夜カラスがカァカァときて、ある星の前に巣を作っていたの。


その星は地球のあの小さな子がお母さんを思い出す、大切な星だったの。けれどカラスさんの巣でその星は見えなくなってしまったの。


あの小さな子は、お母さんに今夜も会えないって、涙をポロリ落とすのよ。だから。ごめんね、カラスさん。巣を移動させてね?


『カァカァ』


カラスさんはしょんぼりと、どこかへ飛んでいきました。

カラスさんの飛んでいった先、それはからす座の近くでした。


カラスさんは思いました。


『ぼくもいつか、お母さんと会いたかったんだ』


からす座は、キラキラと輝きました。


『お母さん!』


カラスさんは、もうしょんぼりしませんでした。からす座はカラスさんを優しく包みこみました。カラスさんの嬉し涙が一粒、ポロリと落ちて、流れ星になりました。




地球で夜空をみていたあの小さな子はどうしているでしょうか。


「あ、流れ星!……あ! お母さん!」


大切な星をやっと見つけられたようです。良かったね。



今夜は満天。



わたしは星空そうじ屋さん。

流れ星には、幸せがのっているのね。





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星空そうじ屋さん よねちゃんなのね @yonechantokakuyo

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