星空そうじ屋さん
よねちゃんなのね
第1話
わたしは星空そうじ屋さん。天空の星屑や塵を、そうじして綺麗にするの。
星は磨いて光らせて、暗黒は真空掃除機で吸うのよ。銀河はブラシで整えて、青い星には水やりもするの。
ある夜カラスがカァカァときて、ある星の前に巣を作っていたの。
その星は地球のあの小さな子がお母さんを思い出す、大切な星だったの。けれどカラスさんの巣でその星は見えなくなってしまったの。
あの小さな子は、お母さんに今夜も会えないって、涙をポロリ落とすのよ。だから。ごめんね、カラスさん。巣を移動させてね?
『カァカァ』
カラスさんはしょんぼりと、どこかへ飛んでいきました。
カラスさんの飛んでいった先、それはからす座の近くでした。
カラスさんは思いました。
『ぼくもいつか、お母さんと会いたかったんだ』
からす座は、キラキラと輝きました。
『お母さん!』
カラスさんは、もうしょんぼりしませんでした。からす座はカラスさんを優しく包みこみました。カラスさんの嬉し涙が一粒、ポロリと落ちて、流れ星になりました。
地球で夜空をみていたあの小さな子はどうしているでしょうか。
「あ、流れ星!……あ! お母さん!」
大切な星をやっと見つけられたようです。良かったね。
今夜は満天。
わたしは星空そうじ屋さん。
流れ星には、幸せがのっているのね。
星空そうじ屋さん よねちゃんなのね @yonechantokakuyo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。星空そうじ屋さんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます