第23話 甘い夜

話をしている間中、先生に触れたいという渇望は強まって収まることはなかった。

先生の家に着くと、もうベッドまで待てなかった。

先生も同じ気持ちだった。

玄関に入った途端に俺たちはお互いを強く抱きしめ合った。


これだ、と思った。

やっぱりこの人だ。

先生がいないとダメなんだ。


俺は先生の頬を両手で包みこんで、深く口づけた。

先生は俺にしっかりとしがみついたままキスに必死に応えてくる。

先生の舌を絡めとる。

どうしてこんなに甘いんだろう。

吸いつくしたくなる。

「っふ………タケル、くん」

少しだけ唇を離すと先生の瞳は潤んでいて、大きなため息が漏れた。

「先生。

今日は嫌な思いさせてごめん。

辛かったよな」

傷ついてもいいと先生は言ったけど、傷つかない訳じゃない。


「私はタケルくんがいたから大丈夫です。

…タケルくんも痛かったですね」

そう言うと先生はそろりそろりと俺の足元にひざまづいた。

そして、そろりそろりと俺の証をくわえた。

「何?!

どうしたの、先生!」

慌てつつも、とてつもない快感がやってきた。

「タケルくんを慰めたくて………」

頬を赤らめて上目遣いで言われると一瞬で爆発しそうになった。

こんなに速く果てるわけにいかない。

先生を寝そべらせて今度は俺が、硬く張りつめている先生を口に含んで前後させた。

「…あ!

ダメです、汚いから」

「自分がされていけないことを俺にしたの?」

少しだけ意地悪を言ってみると、先生は困りきった顔をしながら悶えた。

「んっ、や……」

先生は恥ずかしがりながらも、もどかしそうに下半身をもじもじさせている。

求めてくるのがいじらしくて、すぐさま後ろも人差し指で攻め入る。

「あっ!」

先生は震え上がると激しく腰を揺らした。

同時に先生の熱が俺の口に放たれた。

「あ……ごめん、なさい」

先生は泣きそうな顔で俺に謝った。

「こんなの序の口だよ、先生」

「え」

「今日は朝まで離せそうにないから」

「えっ、あっ………」

俺は先生に思いきり両足を開かせると、先生の一番温かい場所に自分自身をうずめ込んだ。 先生は俺に四肢を絡みつけ、もう離れたくないと耳元で囁いた。

俺も深く繋がりたくてさらに押し込むと、二人の秘密の部分がぴたりと張り付いた。

先生が体を揺らすと強く擦れてひりひりと痛んだ。

それでもまだ足りない。

このままもつれあって、ほどけなくなればいいのに。


お互いに何度も果てて、ついには動けなくなるとただ抱きあっていた。

先生は、ぼんやりと俺を見つめている。

この人が好きだ。

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