第14話 先輩はじめました_1

制作部に異動して2年

後輩ができた


1個下の大卒女子 花蓮ちゃん

制作志望のテレビ向きの明るい子

言葉は知らなすぎるけど、人ウケする子


私とは正反対


ずーっとテレビに出たかった私

一瞬で先を越された


ちょっと嫉妬してる

ちょっとじゃなくてものすごく嫉妬してる


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嫉妬してる原因がもう一つ



編成の指導は私

番組の指導は大介さん


2人で担当していた番組も

彼女に引き継ぐことになったから



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4月から新しく夕方の番組がスタート

後輩の花蓮ちゃんと隔週でMCを務めることになった



アナウンサー志望で、アナウンス力もあって

明るくて周りの人の心を一気に掴む彼女は、人気者に


アナウンス力の低い私は知識で対抗するしかなかった


たくさんの企画を出して、原稿を書いて、

番組にはたくさん貢献。

番組の仕事以外にも

編成したり、会議に出たり。


出演したい気持ちは無限大

でも私は全くバラエティ向きではない・・・

自分でもわかってるけど、すごく悔しい


久々に味わう劣等感


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そして、そんな時

県外での特別番組の撮影が決まった

MCに選ばれたのは、後輩 花蓮ちゃん。


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大介さんから別部屋に呼ばれ、

今回の撮影でアシスタントをして欲しいと言われた

出演者じゃなくてアシスタント



心の中はぐちゃぐちゃ



他のスタッフを聞いたり

仕事内容を確認したり

撮影前後の別の予定を確認したり



冷静を装って、対応した



仕事も彼も取られた気分

ここ数年で一番悔しかった


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撮影クルーの女性が

花蓮ちゃん一人なら一緒に行こうと思ってた

でも、カメラマンとカメラアシスタントが女性って聞いて

私は断った



大介さんには

「えっ?」って言われたけど



行きたい気持ちは2

嫉妬が5

不必要3



編成仕事もあるし、取材もある

社内の仕事も抜けるわけにはいかない


やりたい仕事だけするわけにもいかない


私は大人

そう言い聞かせた

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