1-19:ボス戦を終えて

「さて、拠点に戻って来たね。じゃ、何か聞きたいことある?」


そういいつつ、お腹が空いてたので生肉を食べる。


・生肉wwww

・それが気になるww

・モグモグするのは相変わらずですね

・そういうとこも可愛い


「いや、だってお腹空いたし。かといって料理はないし。仕方ないから生肉だよ。美味しくないけどね。」


そういいながら桶で水を飲み、その後地面にぐでーっとする。


・グデーっとしてるの可愛いww

・もう完全に狐化してるじゃんww

・最初に地中の根の動きがわかってたかのような避け方したけどあれはどうして?


「それは魔力感知のおかげだね。木の根にも魔力が通ってたからね。どういう風に動いてるのかは大体わかるよ。そういう意味だと、今回のボスが使った攻撃は大体事前に把握してたかな。相性がよかったってのもあるけど」


・魔力感知ってそんな便利なスキルだったか?

・いや・・・、何となくわかる程度のモノだけどな。

・システムアシストオフだとそうなのかもしれない


「んー、それは多分意識して使用するかしないかの違いじゃないかな?システムアシストオフだと常に意識してないと感知できないからね。そのせいじゃない?魔力感知のスキルレベルは5だよ。」


・はっや

・スキル熟練度が2倍になる前からLv5なんだもんな

・でも確かに意識して使用してなかったかも

・魔力感知持ってたから、試しに意識してみたら今までよりもハッキリと魔力がわかった。けどまだぼんやりだな。

・まじかー。他のボスも魔力感知があればどうにかなるのか?

・少なくとも攻撃を捌きやすくはなるだろうな

・あと何か体が光ってたけどあれは?

・それと紫色の炎について説明オネシャス!

・青と白も!



「わわっ、質問いっぱいきたね。とりあえず身体を光らせてたやつね。あれは魔力強化を使ってるよ。魔力を体に纏わせてできるやつ。前にKazuhaのとこで紹介した『魔力操作のコツ!!』って本が図書館にあるから読んでみるといいよ。それに書いてる。」


・まじか、魔力強化であんな攻撃力上がるの!?

・多分、魔力を多めに使ったらその分攻撃力アップするとかだと思う。

・本にもそう書いてあるな。

・あと、この人半径1m以内にいる敵への攻撃威力が2倍になるっていう個性もってるから、普通の人とは威力が違う。


「そうそう、魔力を沢山こめたらその分強化率?が上がるよ。あと魔力強化を頭に使うとゾーンに入ったみたいになって色々とわかるようになる。まぁ、めっちゃ頭痛くなるし、失敗したらHP減ってくけどね。」


・なにそれ怖い

・いや、カケルさんは痛覚遮断機能ついてないから。普通は痛み感じないから

・むしろ何も感じずに気が付いたらHP減ってるとかありえるのか。

・それはそれで怖いな


「そういえば普通は痛み感じないのか。私はそれが普通だったから忘れてたよ。」


・当たり前のようにその環境でプレイできるのが凄い

・我々には無理・・・

・で、あの炎は?


「まぁ、私が特殊なのは自覚してるからね。じゃぁ次、私の周りに浮いてた炎だね。あれは妖術ってスキルだね。多分私固有のスキルかな?九尾でない妖狐とか別の妖怪系等の種族がいるなら話は別だけど。」


・あれ威力すごかったな。

・紫色のやつな。

・あれがあったら俺らでも勝てるか?

・討伐速度は上がるだろうが、実際に討伐できるかどうかは別。

・話聞く限り一番重要なのは魔力感知。次点で魔力強化だな。その二つを扱えれば安定できそうだ。


「コメントでもあるけど大事なのは魔力感知でいかに相手のスキル発動を察知するかだね。私の考えだと、エリアボスはこれを扱えるかどうかのチュートリアル的な存在だと思ってる。」


・なるほどなー

・結構難しいけどな。

・それでもシステムアシストがないこの人よりは楽だろ

・システムアシスト有で出来なくて、無い人が出来てるとか恥ずかしいな。

・いや、この人HENTAIだから。一般人は焦らずじっくりと行くしかない。


「うーん、そんなに難しい?私はそこまで難しく感じなかったけど・・・」


・難しい

・一般人には厳しい

・大分きついと思う

・魔力がそもそもわからん。


んー、私とみんなとで違う所・・・あっ


「あっ、痛覚遮断機能がオンになってるせいで、魔力を感じにくくなってるのかも。システムアシストはそのままにして、痛覚遮断だけオフにしたらやり易いんじゃない?」


・いやいやそんなまさか

・さすがにそれは・・・

・うわっ、まじだ。

・ほんとか!?

・試してみたら、今まで「魔力があるかも?」くらいだったのが、「魔力がある」ってハッキリわかった。ちな魔力感知のスキルレベルは1な。

・これは罠だわ・・・

・まじかー、俺も後で試すか。

・でもこの状態で戦闘するのは怖いな。

・確かに

・ある程度なれたらまた痛覚遮断をオンにすればいいのでは?


「まさかそこまで遮断されるとはねー、要望送ったらいいんじゃない?謎技術の塊さんならあっという間に対応してくれそう」


・謎技術の塊さんww

・確かにそうだけどww

・でもやってくれそうだな

・とりあえず問い合わせておくか。

・だな


ふぅ・・・、質問タイムはこんなもんかな。


「他になにか聞きたいこととかある?」


・今のステータスを見せてもらえるのであれば!

・確かに見たいかも!

・見せてー


「いいよー。一回掲示板にステータス情報とかUPしてるから、隠す理由も特にないし。私もボス戦終わってから確認してないんだよねー。みんなで確認しようか」


・wkwk!

・やったー!!

・よし、確認するぞ!!


ということでステータスを表示させる。あ、配信画面にも移さないといけないから、カメラをこっちに持ってこようか。


「カメラ移動させたんだけど、ステータス見えてる?」


・見えてるよー

・大丈夫ー

・でも少し見ずらい。

・カメラにウィンドウ表示っていう設定あるからそれ使うと見やすいかも


「えっ、そういうのあるの?えーっと、設定を開いて・・・。あっ、合った合ったこれかな?どう?」


・完璧!

・OK!

・大丈夫!


「よしっ、じゃぁ、ステータス確認していこうか。てかレベル4も上がってるんだけど!?ちょっ、色々上がってるけど先にSP振っちゃうね。」


 んー、何に振ろうかな・・・。INTとMNDに10ずつ振ろうか。それから・・・、DEXにも10、STRとAGIに5振ってお終い。


★ステータス

--------------------------

■名前:カケル

■レベル:19

■種族:九尾の妖狐

■種族特性:擬装(妖狐族)

■個性:零距離戦闘陣

■職業:妖術師

■所持金:0z (ギルド預かり 72,162z) 

■ステータス:

 HP :110

 MP :1700

 STR:75  [69 * (1.1)]

 VIT:11   [28 * 0.4]

 INT:170  [74 * (1.8 + 0.5)]

 MND:68  [40 * (1.2 + 0.5)]

 DEX:50  [50 * 1.0]

 AGI:75  [69 * 1.1]


 SP :0

■取得スキル

 妖術Lv1、封印(九尾)Lv2、鑑定Lv1、看破Lv1、言語Lv1、無手格闘術Lv1、魔力操作Lv7、魔力感知Lv8、魔力強化Lv4、軽業Lv2、爪撃Lv2、魔力視Lv1


■称号

 暴徒鎮圧、身体ヲ破壊スルモノ、格上殺し


「よしっ!ステータスは振ったよ!」


・スキルレベルが異様に高くて草。

・まて、Lv15であれに挑んだのか!?

・うそやろ、あいつ最低でもLv25だったはずだけど

・というか知らない攻撃沢山してきたよな・・・

・あぁいうのもあるんだな・・・


「あっ、確かに掲示板で得た情報には無かった攻撃もあったかも?誰かまとめといて!私は疲れました!」


・草

・ぶん投げてて草

・もうすでにまとめてるから大丈夫。

・仕事早

・君よく優秀って言われるでしょ。


「おぉ、仕事めちゃめちゃ早い人いるねー。頑張って攻略してね!っと、ステータス確認だよね。とりあえずステータス値は問題ないとして・・・」


・いやいやいや

・一つめっちゃおかしいのあるって

・VIT全然上げてないじゃん

・HP俺らの初期値とほぼ変わらなくて草


「えーそう?これはもう補正値的に上げる意味がないからさー。今後も振らないと思うよ。」


・VIT依存の装備ととかどうするん?

・知ってるか?この種族、武器防具装備不可なんだぜ・・?

・この人がお金使うとしたらご飯かMPポーションくらい


「あと、装飾品も装備できなかったよ。ネームド倒した時のドロップがSTRアップの指輪だったんだけどね・・・」


・きっつ

・それは悲しい

・装飾品もダメなのはつらい

・話を戻そうぜ


「だねー、スキルは・・・なんか魔力視ってのが増えてる。途中から何か見えるなーって思ってたけどこれか。あ、爪撃も確認してなったから見てみよう」


◆魔力視 Lv1

 ・魔力を目で見ることができる。


◆爪撃 Lv2

 ・爪で切り裂く。見た目よりも少しだけ攻撃範囲が広い。


・魔力視の説明めちゃ雑ww

・時々説明がめっちゃ雑なスキルあるよなwww

・爪撃は割とまともなのにww


「このゲームの説明ってそんな親切じゃないよね。自分で試せってのが結構多い。爪撃も多分これ魔力強化したら攻撃範囲が伸びるとかそういう効果もあるよ」


・まじか

・確かに明らかに爪で切れそうにないモノも真っ二つにしてたな

・なるほどなー


「で後は何やら物騒な称号が見えてますね・・・」


・身体ヲ破壊スルモノとかヤバイ人じゃないですか

・公式やばい人認定ktkr!?

・HENTAIでYABAIのか


「勝手にヤバイ人認定しないで!?どうせ部位破壊がどうこうとかでしょ?」


◆身体ヲ破壊スルモノ

 腱や眼を破壊するのみならず、破壊した眼の内部から敵を燃やしたYABAI人に贈られる称号。部位破壊成功率が5%上昇し、破壊した部位を攻撃した時の与ダメージ量が1.2倍になる。

 

・ヤバイ人認定ほんとに来たwww

・草ww

・公認のYABAI人ww

・まるで見てきたかのような説明www

・説明はあれだけど称号の効果は普通に強いのも笑うww


「これ絶対運営見てたでしょ!!称号与えるときに手加えたでしょ!!」


・あきらめろ

・YABAI人なのは間違いないから

・まぁ、ドンマイ

・それはともかく格上殺しの方も見せて欲しい


「だぁもう!いいもんYABAI人でいいもん!じゃぁ次格上殺しね。


◆格上殺し

 無謀にも自分よりレベルが10以上ある敵に挑み、倒してしまったHENTAIに送られる称号。自身とのレベルが10離れるごとに、全ステータスが10%ずつ上昇する。


・ちょwww

・HENTAI認定きたwww

・コンプリートだねww

・HENTAIでYABAI人ですね


「だぁぁぁ!!!なんでさ!!!称号名は普通じゃん!?説明いじったでしょ!?もう!!!」


・草

・ドマ

・例えHENTAIでYABAI人だとしても好きだよ!

・にしても格上殺しの条件厳しいな。

・あまりにも強引な話題反らし草。

・私でなくても見逃さないね

・確かに厳しいけどさw

・効果が強いのか弱いのかあまり判断がつかない。

・そもそもレベル10以上差のある敵と戦う機会ないし。

・まじでレベル10以上の差があったのか・・

・全然そうは見えなかったよな

・どっちかというと終始圧倒してた


ふぅ、一旦落ち着こう。とりあえず文句言ってもしかたないからね。


「てかレベル10以上差あったんだね。これ本当に相性良かった感じだろうね。そこまで硬くもなく、速くもなくって具合でさ」


・あんたが速すぎるだけや

・ついでに威力二倍+魔力強化分な

・一発喰らったら即お陀仏だけどね

・それ考えるとアイアンゴーレムの近づいたら火傷するギミックとかめっちゃ相性悪いんじゃ


「だねー、私火傷対策もってないしね。近づいたら火傷するんでしょ?防具もないから攻撃するたびにダメージ受けてすぐ死ぬだろうね。」


 あとはスノーウルフが私より早かった場合厳しいかな。全力の魔力強化で追い越せるだろうけど、制限時間つきだし、数の暴力で来られたら厳しい。スライムはサンドバックに出来そうだけど。


・この辺はデメリット持ち種族だからって感じだね。

・ハマればめっちゃ強いけど、そうじゃないとトコトン厳しいってな

・よりレアな種族ほどソロでの活動は厳しそうだね

・デメリットさえカバーできれば相当強いことは間違いない。


「あー、確かにそうかも。レア種族ほど強い所と弱い所がハッキリしてるからねー。だからエリアボスを突破した人の中にレア種族がいなかったんじゃない?」


・なるほどな

・それか特性を活かしきれてないとかかな?

・わからんけど、特化型種族の弱みがいきなり出ちゃってる感じなのか

・スタートは厳しいね


「だねー。じゃ、もういい時間だし、私も疲れたから落ちるねー。見てくれてありがとー!じゃぁねー!おやすみなさいー!」


・おつおつー!

・お疲れ様ー!

・次も楽しみにしてます!

・楽しかったです!

・おやすみなさいー!


 そして配信を閉じログアウトして現実に戻る。結構な時間プレイしてたつもりだけどまだ1時間しかたってないのか・・・。あれ、てかSLAWO内で配信してるときって、現実から見たらどうなってるんだろ・・・?ゲーム内に時間加速あるからずれるよね・・・?まぁ、なんか凄い疲れたしいいや。今日は寝よう。


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