学校

...リ.

...リリ...

.......リリリリ

ピリリリ!


「わぁ!」

音にびっくりして起きた。

「そうだった、忘れてた...今日は学校だ。しかも小学校に戻ってやり直しの...」

目覚ましを止め、一階に降りる。


「早く食べないと遅刻しちゃうぞ〜」

お父さんの声。

昔のように、8時までに学校に着かないといけない。

朝ご飯...ご飯と味噌汁を優二と一緒に素早く食べ、近くにあった公民館の前へ向かう。


「「行ってきまーす!」」

「「行ってらっしゃーい!!」」

「頑張れよ〜」


何かお父さんは一言多かったっけ...

懐かしい。


小学校には登校班があって、それでまとまって登校していた。

と言っても自分は道順を忘れたので、副班長の5年生に代わってもらった。

彼女の名は、小野おの 里美さとみ

3年生の頃、この学校に転校してきた。

みんなからは、「さっちゃん」と呼ばれている。

ちょうど学校で作っている1-2,3-4,5-6 年のグループで、一緒になったのでそれで一番に仲良くなった。

いるはずの未来の自分の時代でも「線」というメッセージアプリでつながっている。

やはり昔と今とでは変わらない(...気がする....)


「さぁ、飛ばしていくよ〜〜」

...。そう言って学校まで走る気だ...

「...っ!ちょっと待って!!」

置いていかれる!

そして自分も走ってついていく。


なんとか道を思い出して学校に着いた頃にはヘトヘトだ。

「今日の放送はだーれかなっ」

そう言われて肩を叩かれる。

そうだった。一緒の放送委員だった。

時刻は7時58分ちょうど。

猛ダッシュで職員室経由で放送室に滑り込む。

原稿を棚から探りあて、放送機材の電源を入れると...


...。


何も起きない。


「待てよ...」

付箋がある。


ただいま、放送機器のアンプに不具合が発生しています。

職員室の非常放送設備を使ってください。

夏休みの終わりまでには直しますからどうか ユルチテ(-_^)⭐︎キラリ


そう書いてあった。

そうなればもう一度職員室へ!

未来の自分は職場の設備を毎月五回ほど(わざとじゃないけど)点検もしているので、その要領で、放送する。

EM-K80Dシリーズだったっけ...


「一斉」を押して、「♬」を押して、マイクのスイッチを押して...


無事に放送を終え、教室へ...

木造三回建の校舎は久しぶりだ。


朝の会と2回の授業を終えて、中休み。(編集者注:手抜きじゃないです。)


たくさんの思い出のある図書室へむかっていると、さっちゃんが前で待っていた。

「外遊びにいこう!」

え...?今...?

まぁ行ってみるか。

「はいよっ!」と返事をして、一緒に外に行く。

こうやって会えるのは何年振りだっけな...

今は東京に行っちゃって会えない日々が続いているからな...

そう思っているうちに、手を引っ張られていつもの定位置という名のグラウンドの端に連れて行かれ連行た。

「さ、今日は明日の作戦を練りますかな。」

「なんだよその語尾っ!」

今でもこの語尾は使う。

「まず明日の放送は私が担当して、そのつぎに健ちゃんにしよう!」

「いいよ!」

と言ってもな...明日終業式なのを見てたぞ...

終業式の日には単純な放送なのを知っている...

「そういえば終業式の次の日、空いてる?」

「うん。」

見当は大体ついている。

しかしなぜ「明後日」のところを「終業式の次の日」に...?

「じゃぁ、電車で坂ノ市まで行こう!」

あっ。ほらね。

「またおじいちゃんの家に行くの?」

「うん!」

というわけで、最寄り駅の西大分駅から坂ノ市駅までの運賃を捻り出さないといけなくなった。

今月の給ry...お小遣いを貯めに貯めたのに全てパーになると思った。

そんなことを話していると、すぐ時間になる。

「それじゃあ放送してきま〜す!!」

そう言って立ち上がり、臨時放送室音量調節不可 兼 職員室へと向かう。


その後の授業はお小遣いがまだあるかどうかをずっと気にしていた。

昼休みは計画を(また)立て、どこでどうやって遊ぶかまで計画を立てた。

うろ覚えの記憶が役に立つことは(ほぼ)なかった。

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