第16話

そんなある日。


私に忘れられない出来事が起きました。


私の心鬼検査当日。


この日もいつものように薬を飲み、検査を受ける施設へと向かいました。


いつもより遅くついてしまい、ずらっと並べられたイスの後方に座り、ボーと長い列を眺めていた時。


一本の電話が鳴りました。


普段検査前に電話に出ることはなかったけど、なんだか胸騒ぎがして電話に出てみました。


お母さんが交通事故にあって死んだということでした。


何かで頭を殴りつけられたかのような衝撃で頭が真っ白になり。


気づけば。


私の瞳から涙が溢れ出していました。

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