第8篇 無力な夜

ひざを抱えてうずくま

声を殺して涙をこら

唯々ただただ己の無力さに

押し潰される夜がくる


こぶしから赤い滴が落ちても

顔を上げられない


あぁ、もしも

寄り添う誰かが居たのなら

己を大事に想えたろうか

この身も捨てたものではないと笑えたろうか


それでもきっと

僕は己を責めるだろう


僕のために

誰かが心を傷める姿など

見たくない

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