カメラを


時代は変わると人は云う


何万画素だとか

補正機能がどうだとか

何ギガバイト保存出来るとか

撮ったものではなく

撮る物の機能を自慢する

デジタル化した此の時代


君の持つカメラは古かった

中古だ骨董品だと

馬鹿にする者も居たが


「気に入ってるから」

そう言って笑顔を返す君は

新しい物に興味を示しはせず

亡くなった

祖父から貰ったという

其のカメラを

ずっと大切に使っていた


見せてもらった君の写真は

其の殆んどが人物で


君の人柄を写す様に

写真に写る老人や子供は

カメラを意識しない笑顔だった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る