最悪

俺は手を握られた。

ハルに。


女の両方の手のひらに包まれて

面食らわない陰キャがいるだろうか、いやいない。


「あの、あの、、あのちょっと…

離してほしい」


「あ、ごめんなさい。あまりもカッコいいからつい、ギュッとやりたくなっちゃって」


あー、とんでもない積極的女子。

陰キャに対してならやんない行動。


「え、ママ?誰このひと?芸能人?

それともモデルかなんか??」


「そこまでは知らないけど…

名前も聞いてないからね」


「え、なにくん?名前はなに君なの??」


答えられるわけがないだろ。


「……..汗汗」

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