雨がただ静かに

 世界の音がこんなにも鮮明に 


鼓膜を震わす振動がこんなにも明確に


 微弱な音が窓の向こうでずっと続いているのに


しずく 屋根を打つ

 開く 水色の傘

  滑る 自転車の車輪


 晴れの時より 耳に近く



  

 洗い流されるのは世界か 自分か





※雨、というとラヴェル ピアノ協奏曲ト長調 第二楽章を思い出します。


 

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