第22話
「h……」
言葉すらも置き去りにした身体強化。
「あれ気絶してる?」
感覚で言えばもっと強いはずなのだが、油断していたのかな。
「あっさり倒してるじゃない。」
大したことが無い印象を受けているが、この生物は相当強い。
こっちが油断していれば殺されていたかもしれないほどに。
ルルさんが対象に触れようとしてたので制止する。
「触らない方が良いよ。
こいつ毒を持ってるから。」
「何で毒を持っているのにあなたは平気なのよ。」
「そこそこ喰らってるよ。
後でアルコール消毒しておかないとね。
でも、ルルさんが喰らうとどうなるかな。
人間だと触れただけでも死んでしまうような奴だけど、その辺り大丈夫?」
「それは私も辞めた方が良いわね。」
人狼って毒耐性が無いのか。
「ルルさんって玉ねぎ大丈夫?」
「犬と一緒にしないで。
食べれるわよ。
ただ毒なんかは多少人間と異なる程度で劇物にはめっぽう弱いわ。」
後は銀とかが嫌われるってよく言われるけど、それは間違いだとは知ってる。
ただの宗教に基づくそうであったらいいなぐらいのものだ。
「毒の成分は、警察にも足が付かない呪術による毒だね。
俺は魔術専攻だからそこまで詳しくはないけど、それの類かどうかはわかる。
詳しくは陰陽師に聞いた方がわかるんじゃない。」
「ごめん、私は術に関しては詳しい方じゃないからよくわからないわ。」
「それじゃあこの人の後処理しないと。」
スッと空間を捻じ曲げて彼をしまう。
「それなにしたの?」
「空間を捻じ曲げて固有結界を作りその中に入れた。」
「簡潔に言ってるけど、それできる人、私一人しかいないんだけど。」
異世界でも使える人は少数だったから、珍しいのは分かるけど一人しかいないのか。
「後は放課後にでも取り調べを行うとしますか。
それじゃあ今日もテストを頑張ろう。」
「なんか釈然としないわね。」
それもこれもワンパンで倒れるコイツが悪い。
自分が強くなり過ぎたと勘違いして相手の実力を把握することすらしていない。
人間とそのほかの生物なんてどんぐりの背比べと同じ。
この強さとはいつでも、ひっくり返る程度のことを理解していない。
今現在、固有結界にて解析しているが魔王と同じ種族と出ている。
魔王と同じ種族って確かプライド高めの種族だったな。
生物の規格としては肉体的にはゴリラとクマを掛け合わせられていて、再生能力に秀でている。
魔力もそこそこ、しかし得意とする魔術や呪術は相当破壊力を持つモノを覚える。
そういえば魔王軍にその手の種族は居なかったな。
魔王だけがその種族だった。
生物として雄雌があったため、生殖をおこなえないのではと思っていたが、この世界にも居たとは驚きだ。
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