第4話 涙〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

ある日の学校帰り。



「もう少しだったのに!」



UFOキャッチャーで一人、奮闘中。


街に用事あって出たものの、そのまま帰るのも惜しくゲーセンで寄り道。


気付けば夢中になり過ぎて日は暮れている。




「ヤバっ!」



親からも何回も連絡があったようだ。



「………………」



私は慌てて帰る事にしたんだけど――――



途中、誰かとぶつかってしまい――――



「いってーー」

「す、すみません!急いでいたものですから」



一先ず謝り、すぐ去ろうとした、その時。



グイッと腕を掴まれ、引き止められる。




「待てよ!謝るだけ?」

「えっ!?」

「こっちは、超痛かったんだぜ?」

「それは…痛くない方がおかしいですよ?」



そして――――



「おいっ!女っ!付き合ってもらおうじゃねーか?」


「えっ!?時間ないんで無理です!私、急がないとマジヤバイんで」




そのまま強制的に連れて行かれ始める。



「ちょ、ちょっと!離してくれませんか?」




「………………」



「ねえっ!ちょっと!」



《ムカつく!シカトすんなっつーの!》

《聞こえないわけがないはずだし!》




私は相手の対応に腹が立ち、相手の手を掴み。




「シカトすんなっつーの!!」



合気道で、相手を投げてしまった。



「ってーー!」


「てめー」



もう一人、別の相手が襲い掛かってくる。



「ぶつかって、謝ったじゃんか!なのに何なわけ!?」



私は交わし、避(よ)ける中、走って逃げるけど、夜道は分かりにくい。



「………………」



ひたすら走るしかなく脇道に入り込み、身を隠す。




「…最悪…」



泣きそうになった。


すぐに帰れる状況じゃない。




「…自業自得だ…」



でも、ここにいるわけには行かず、周囲に気を付け帰ろうとした、その時――――




「みーーーっつけ!」



ビクッ



「さあ、付き合ってもらおうかな?」と、掴まれた。



「……………………」



「い、いや!!付き合う意味、分かんないし!ただ、ぶつかって謝ったのに、あんた達、ものわかり悪い!」



「この女っ!」


「マジむかつく!」



強く手を引っ張られる。




「………………」




その時だ。




「その子に何か用か?」


「女の子には優しくね〜」


「あ?」


「うるせー!部外者は黙ってろ!」



「部外者ね〜」


「例え部外者でも彼女に関しては俺達は黙っちゃいないぜ?」




一瞬の出来事だった。


相手は彼等によって、あっという間にやられてしまった。


痛々しい傷を残し




「覚えてろよ!」



お決まりの台詞を言って相手は去って行った。





「……………」




私は解放された感から体が崩れ落ち始め、グイッと誰かに抱き留められた。



「………………」



「大丈夫か?」


「棚峅さん、大丈夫?」


「全く、何やらかしたか知らねーけど、俺達いなかったら…お前…」



まだ怖さが抜けず、顔は薄暗くて確認取れていないけど、私の事を知っている相手だと分かった。


彼等しかいないと――――





「……ごめん……ありがとう……」



そして涙がこぼれた。





初めて……




          泣いた……













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