(三)-4

 私の意気はマリアナ海溝よりも深いところにすっかり消沈してしまった。

「二人で飲みにいかないか」

 まさか誘われるとは思わなかった。それとも昔話をしてまた私に突っかかってきたりするつもりなのだろうか。もうあれから三年経っている。彼だって少しは成長しているハズだ。だけどバラ色の大学生活にはふさわしくない。だからコイツと飲みに行くなんてあり得ない。

 そう思って断ろうとすると、コイツは「じゃあ、五限目終わったら正門前で待ち合わせな」と言って席を立つと、私が返事をする前に、部室を出て行ってしまった。


(続く)

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