第345話 ポジティブクソ野郎

2024.12.4

12月になった。

私の嫌いな誕生日が近くなってくる。


誕生日ともなると、何かしらやらかしている気がする。

私は自分の誕生日が嫌いだ。


そうやって育ったから、仕方ない。

誕生日を忌み嫌うような環境下で育ったのだから、今更その固定概念はどうにもならない。


母は、意味不明な人だ。

罵詈雑言を私に浴びせた後は、私に謝る。

ダメなお母さんでごめんね、と言う。


お前なんか産まなきゃよかった、と言いながら、誕生日ケーキはあったと記憶している。


私は、愛されていたのか、はたまた愛されていなかったのか、今となっては謎であるが、私を産まなければ母はきっと幸せな人生を歩んでいたのだろう。


そう考えると、無性に申し訳なくなる時がある。

まぁそれが誕生日と重なってしまうわけである。


最近、気休めに自己啓発本などを読んでいる。

まぁでも、要するに、「前向きであれ〜」みたいな、ポジティブクソ野郎であれみたいな本が大半だ。


こんな当たり前のことを書いて売れるのかという感じである。


私のような病気を抱える人はどうしたら良いのだろうか。

そんなことは書いてない。


ただただ、「気分が落ち込んだらお風呂でアロマキャンドルを焚け」、とか「自分にご褒美をあげましょう」とか。


そんなことの羅列だ。


落ち込んだら?

オーバードーズで現実逃避。

お風呂に入る気力すらない人はどうすれば良いのか。3日は入りませんよって人。

アロマキャンドル?そんな余裕ねぇわっていう人。


そんな人のトリセツは、見たことがない。


まぁそんなところからしても、精神疾患を持つ人間は、どこか特別扱いというか、これは悪い意味で。


まぁなんだ、面倒くせぇ病気ってこと。










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