第252話 掛け捨ての保険

2023.9.2


まぁまぁ調子が復調してきたようだ。


ご飯も何とか作れるし、仕事も辛うじて行ける。

聴覚過敏には地獄の野球観戦で復調の兆しがプツリと切れ、さらに鬱になってしまったので、時間がかかるみたいだ。


今回の鬱転については思い当たるところがない。

何があったんだ、私。


まぁ何もなくても調子崩しちゃうから、双極性「障害」なんだろうな。


普段、何もなく過ごしてるときは、自分は病気なんかじゃないとか、薬なんて何のために飲むんだ、なんて思っちゃうけど、こうやって調子を崩したときには、ああやっぱり私は病気なんだな、ってセンチメンタルな気分になる。


まぁそもそも薬が効く時点で病気なんだよね。

普通の人が飲んでも、副作用はあれど効果なんて見込めないだろう。


私の頭の中のドーパミンやら何やらは、薬でコントロールしてあげないとバランスが取れなくなってしまう。

調子いい時はそんなこと考えもしないのに。


結局、私は薬のおかげで現状維持ができているのだ。

ってことは、きっと一生、心療内科にお世話になるのだろう。


更新に出していた新しい自立支援の受給者証が届いた。

もう何年目になるだろうか。


私は主に双極性障害の治療としてはエビリファイとラツーダを飲んでいるのだが、ラツーダについてはジェネリックがまだない。

1割負担でも、月に3000円くらいお金がかかる。3割負担だったら、、、

どよーん。薬代で稼ぎがなくなってしまう(それは言い過ぎか)


薬代も地味に痛い出費だけど、薬を飲まないとまた躁状態やら鬱状態やら混合状態で苦しい目に遭う。


仕事を辞めたり、いらない散財をしたり、人を失ってしまうことになる。


月に3000円の、医療保険みたいなものだ。

掛け捨て保険。


そう考えれば、まだ合点がいく、、、、?


うつ病から診断が覆ってから2年目になるけど、ココロのどこかでは受け入れがたいというか、「漢方くらいでどうにかなるんじゃね?」とかバカげたことを考えたりもする。


大学の同期がバリバリと働いてキャリアを積んでいたり、子育てに奮闘する中で、私はもうキャリアなんて諦めざるを得ないし、子どもを授かる気配もない。

というか、正直自分のことでいっぱいいっぱいで、子どもができても幸せにする自信がない。


そんなことを考えると、うーん、やっぱり今は鬱期なのかも。


マイナス思考よ、飛んでゆけ。


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